77%が入学定員割れの女子大学! 人気下落の5つの理由とそれでも女子大学を選ぶメリットは?
女子大学の経営が厳しい理由少子化の影響
2024年度以降の募集を停止する恵泉女学園大学と神戸海星女子学院大学はともに、募集停止に至った理由の第一に「18歳人口の減少」を挙げています。確かに、1990年度と比較して2023年度の18歳人口は55%に減少し、女子大学の数も約2割減少しました。それでいて、短期大学の4年制大学化や女子大学の共学化、専門職大学の新設などにより、大学数そのものは1.6倍に増えているのです。数を増やした大学の中で、減少し続ける受験生の奪い合いが起きているということになります。
女子大学の経営が厳しい理由共学志向の高まり
近年は社会情勢の変化の中で、高等学校教育も共学化が進んでいます。下表のように、9割以上の高校は共学になっており、特に私立高校の共学化が顕著です。 共学の高校に通う生徒が共学の大学を選ぶことは自然な流れですが、少数派である女子高校に通う生徒がみな女子大学を選ぶかというと、そうではありません。男女共同参画が求められる中、性別を問わない開かれた学び舎で、視点を広げる経験の必要性を考える女子学生は多いのではないでしょうか。 かつてはバンカラ *4な校風で知られた早稲田大学の学部生の女子比率は、1990年度では19.3%に過ぎませんでした。しかし、2023年度には38.7%と倍増しています。 2023年度の入学者に限ると、早稲田大学国際教養学部の入学者女子比率は62.9%です。同様に、明治大学国際日本学部は64.0%、法政大学国際文化学部は74.8%、関西大学外国語学部は66.0%、立命館大学食マネジメント学部が67.0%と、共学の大学であっても女子入学者比率が高い学部が目立ってきています。 *4 「バンカラ」という言葉は、大正時代から昭和初期にかけての日本の学生文化を指します。元々は「ハイカラ」の対義語として使われました。バンカラは、「野蛮」と「ハイカラ」を掛け合わせた造語で、粗野でありながらも情熱的で自由な生き方を象徴しています。当時の学生は、自らのスタイルを強調するためにわざとボロボロの制服やマントを着たり、下駄を履いたりすることが多かったです。