77%が入学定員割れの女子大学! 人気下落の5つの理由とそれでも女子大学を選ぶメリットは?
女子大学の共学化や共学大学への統合、さらには募集停止など、衝撃の発表が相次いでいます。77%が定員割れになってしまった女子大学は「時代遅れ」なのか。女子大学が生き残りをかけて進める改革の内容とは。女子大学の今とこれからについてお伝えします。(寺田拓司:東京個別指導学院 進路指導担当) 【グラフ】今の大学入試は「一般選抜」が少数派? 国公立・私立別の割合を見てみる
2023年度入試での女子大学の入学定員割れは77%
本年2024年度から、恵泉女学園大学と神戸海星女子学院大学は募集停止となり、愛知県の開校120年の桜花学園大学は男女共学化に踏み切りました。2025年度からは、名古屋女子大学と神戸松蔭女子学院大学、長野県の清泉女学院大学と兵庫県の園田学園女子大学が共学化され、東京家政学院大学が段階的に共学化を実施します。学習院女子大学は最短で2026年度にも学習院大学に統合されます。 国立女子大学はお茶の水女子大学(東京都)と奈良女子大学(奈良県)の2校、私立女子大学は70校ほどがあります。女子大学の大部分を占める私立女子大学について、学生募集面の現状を見てみましょう。2023年度入試における私立大学の入学定員割れ大学数の割合は53.3%と過去最大になりましたが、私立女子大学に限ると、入学定員割れ大学数の割合はさらに増えて77.1%にのぼります*¹。 2023年度入試で入学定員を満たす入学者があった女子大学は以下の通りです。 2023年度入学者数が入学定員を充足した大学(五十音順) 大妻女子大、学習院女子大、鎌倉女子大、京都女子大、共立女子大、実践女子大、昭和女子大、女子栄養大、女子美術大、聖心女子大、清泉女学院大、津田塾大、東京女子大、東京女子医大、同志社女子大、日本女子大 ※『2024年度用 大学の真の実力 情報公開BOOK』(旺文社)などをもとに東京個別指導学院が作成*¹ 上に名前のない大学の中には、入学定員は満たしていなくても収容定員(全学年での定員)を満たしている大学もあり、入学定員割れ大学=人気のない大学ということではありません。しかし、経営的に厳しい大学の割合は、共学大学より女子大学のほうが高いようです。 *¹ 私立大学全体の数字は「令和5年度私立大学・短期大学等入学志願動向」(日本私立学校振興・共済事業団)による。女子大学は『2024年度用 大学の真の実力 情報公開BOOK』(旺文社)による。ただし、同誌にデータ未掲載の恵泉女学園大、東京家政大、神戸海星女子学院大(入学者・入学定員)、日本女子大(入学者・入学定員)は大学HP等より収集 なお、女子の大学進学率の伸び率は男子よりも高く、1990年度に対して2023年度では359%にもなっています。男子は182%ですから、伸び率のポイントではほぼ倍です。 そのような中で、なぜ多くの女子大学の経営は厳しい状況に陥っているのでしょうか。