ボクシング・坪井智也、アマチュア引退を表明 パリ五輪逃し「けじめをつける」 21年世界選手権で日本勢初優勝
ボクシングの男子バンタム級で21年世界選手権覇者の坪井智也(自衛隊)が1日、アマチュアボクシングからの引退を表明した。解説で訪れた全日本選手権の会場で取材に応じた28歳は「パリで金メダルの期待を受けてきた中で結局、五輪にも行けなかった。アマチュアボクシングが好きなので未練はあるけど、けじめをつけないといけない」と決意を語った。 坪井は小学6年でボクシングを始め、浜松工から日大に進学。2014~17年の全日本選手権ライトフライ級で4連覇し、卒業後は自衛隊に所属。バンタム級(54キロ級)で出場した21年世界選手権では、ウエルター級の岡沢セオンとともに日本勢初の金メダルの快挙を成し遂げた。 パリ五輪の金メダル候補と期待された中で、五輪の階級区分の変更もあって51キロ級で目指したが、減量に苦しんだ。昨年9月の杭州アジア大会は銅メダルも五輪切符にあと1勝届かず。「階級を1個落としたこともあってこの2年ぐらいは節制、減量と練習の繰り返しで気持ちの面もきつかった」。最後のチャンスだった今年5月の世界最終予選はコンディション不良により棄権し、五輪の可能性が消滅した。 以降は実戦に出場していなかったが、10月にWBA世界バンタム級王者となった堤聖也(角海老宝石)の練習相手を務めるなど、体は動かしている。今後は未定だが、アマでのキャリアを「五輪も(16年リオ大会から挑戦し)3回も行けなかったし、悔しい思いをずっとしてきたけど、まさか世界選手権で日本人初(金メダル)を取れるなんて思ってなかった。これ以上、何を望むものがあるんだろうっていう気持ち」と晴れやかな表情で振り返った。
報知新聞社