なぜ中国は東京五輪出場選手にワクチンを提供するのか…海外メディアは「国際的批判を受けている人権問題との関連性」を示唆
前出の英BBCスポーツのアレックス・キャプスティック記者もその問題点をこう指摘した。 「IOCは、参加選手のワクチン接種は義務ではなく、各政府へ接種に関するプロトコルを変更して参加選手へ優先的に接種できるような要請はしないとの方針を明らかにしている。だが、できるだけ多くの参加者がワクチン接種を行ってから東京へ入ることを望んでいることは明らかになった。この提案は多くのワクチン計画がまだ初期段階にある発展途上国では歓迎されるだろう。しかし、現実問題としてハンガリー、リトアニア、メキシコのような国では、エリートスポーツ選手たちが、(ワクチン接種の)列に割り込んでいる。対照的に英国、米国やドイツのオリンピック委員会は、アスリートたちは順番が回ってくるまで待たなければならないという方針だ。五輪の成功をもたらすために若く、健康的な人々が優先されるべきなのかということについて、道徳的、倫理的な論議を呼び起こすことになっている」 すでに日本国内でもネットやSNS上で中国のワクチン提供とIOCの受け入れについて様々な意見が飛び交っている。中国の狙いが“ワクチン外交”であることへの批判や、国内でのワクチン接種がいきわたっていないことへの問題提起、あるいは、五輪そのものの開催議論が尽くされていないことなど批判的な声が目立つ。 中国の東京五輪出場選手へのワクチン提供は波紋を広げそうだ。