35歳今野泰幸と“ツネ様”率いるガンバ大阪の良好な関係
ガンバ大阪が国内三大タイトルを独占した2014シーズン以来、4年ぶりとなる7連勝を達成。順位を9位にまで浮上させて、J1残留に大きく近づいた。 破竹の連勝がスタートしたのは、ホームに川崎フロンターレを迎えた、9月1日の明治安田生命J1リーグ第25節。連覇を狙う王者に2-0で快勝した一戦で、この試合から35歳のベテラン今野泰幸が約3ヵ月半ぶりに復帰、ボランチとして先発フル出場を果たしていた。 今野は、その後も先発に名前を連ね続け、比例するようにガンバの連勝も7にまで伸びた。この間、今野は6試合でフル出場。これらの数字が密接にリンクしていることは7月から指揮を執る、日本代表DFとしてワールドカップを2度戦った宮本恒靖監督の言葉が如実に物語っている。 「コンちゃん(今野)が帰ってきたことで、彼の存在自体が選手たちやチーム全体に安定感をもたらしている。要所、要所で球際の強さを見せているし、そこで相手にボールがこぼれるのか、自分たちのものになるのかというところで試合の流れというものは変わる。そこでコンちゃんの力によって自分たちのほうに来ることが増え、勝利という結果につながっているところが多々あるのかなと。あとはヤット(遠藤保仁)が前へ行ったときにコンちゃんがバランスを取るシーンも、連勝中にはよく見られている」 浦和レッズのホーム、埼玉スタジアムに乗り込んだ3日の明治安田生命J1リーグ第31節。1-1で迎えた後半17分に決まった、韓国代表FWファン・ウィジョの決勝ゴールを巻き戻していくと、開幕から低空飛行を続けていたガンバを変貌させたプレーを見つけることができる。 ガンバゴールに迫るFW武藤雄樹を、自陣のほぼ中央で今野が体を張って食い止める。体勢を大きく崩しながらも執念をむき出しにして、武藤よりも先にこぼれ球へ触れたのも今野。ボールを拾ったMF遠藤からパスを受けたウィジョが、タッチライン際からカウンターを発動。約40mをドリブルで駆け上がり、そのまま強烈な一撃をレッズゴールへ突き刺した。 復帰後はガンバに何をもたらしているのか――。 満足そうな笑みを浮かべる胸中を直撃すると、今野は「それほど多くはないんですけど」と照れ笑いを浮かべながら、こんな言葉を紡いでいる。 「攻守でバランスを取ることと、守備面では要所、要所で何とかボールを奪ってカウンターにつなげられていると思うので。それが自分の持ち味でもあると思うので」