電車が運休なのに「這ってでも来い」、平社員にも「ワーカホリック」を求める…外国人も“ドン引き”日本企業の非情さ
「社員を守らない会社って一体何だろう」
念のために言うと、欧米人の中にもいわゆる「仕事中毒」の人はいます。ただし、「イザという時」は命や健康、自分の家族が第一です。自然災害や原発事故のような危機的状況の中、仕事を優先する人は皆無です。 このようなことを書くと、「だから外国人は薄情だ」とか「やっぱり日本人とは違う」などという声が聞こえてきそうです。 しかし、日本人の中にも、「社員を守らない会社って一体何だろう」「何のために今まで滅私奉公してきたんだろう」と感じている人は少なくありません。「なんだかんだいって会社は社員である自分を守ってくれている」――こんな幻想を信じることができるのは災害のない平時だけかもしれません。 「外国人がまたわがままを言っている」「そんなに日本が嫌なら国に帰ればいい」と言うのは簡単です。実際に、そういった右寄りの発言が近年はネット上でも目立ちます。しかしこれでは自ら社畜宣言をしているようなものです。 もちろんなんでもヨーロッパのスタンダードに合わせる必要はありませんが、雇用や仕事に関しては、少なくとも平社員の立場の場合、ヨーロッパ流を取り入れたほうが、自分たちにとって生きやすい世の中になるのは間違いありません。
平社員にも「ワーカホリック」を求める
もちろんドイツを含むヨーロッパの国々にも四六時中仕事のことを考えている「ワーカホリック」は存在します。ただし、それは社長や経営陣の場合です。いわゆる平社員の「使われている立場」で、仕事のみを優先して考える人は皆無だと言えます。 当然、決められた時間内は仕事をしますが、「家族や自分の健康よりも仕事」と考える人はまずいません。そこは、ぶっちゃけ「ドライ」です。 日本の一部のブラック企業でタチが悪いのは、平社員にも「四六時中仕事のことを考える」ことを求めがちなことです。しかし本来は平社員自身も変な夢を見ないで、給料は9時5時分のもの、と割り切って働いたほうが幸せになれるというものです。