箸の持ち方が変だから別れたい?「お里が知れる」「育ちが悪い」…「誰にも迷惑をかけない」「結婚に支障ない」のエールも
壁に穴をあける次男、食事の仕方で「この子はきちんとできる」
食事の仕方ひとつで、人格や人間性にも影響を与えかねないという興味深いコメントを寄せたのは、「頂きます。ご馳走様。」さん。「食事は『感謝の気持ち』など人間の心根が表れる時だと思います」とつづり、自身の2人の息子を比較して説明します。 長男は周囲が一目置くような優秀な子。次男は周りにはかわいいと映るけれど、親には反発し、ひどい対応で腹立つことも多いそうです。 長男は生まれながらの特性もあり不器用で、改善は見られるものの、きちんとした箸の持ち方はできません。一方、次男はほれぼれする食事の仕方をします。箸の持ち方がきれいで、魚の身やごはん粒を残さず丁寧に食べるそう。 どんなに不機嫌でも「いただきます」「ごちそうさま」は欠かさず、壁に穴をあけるほど荒れた精神状態で、親に反抗している時でさえ、弁当箱は「ごちそうさまでした」と言って返すのだとか。そんな次男の様子に、「トピ主さんとは逆で、食事の件だけで、今だらしない生活をしていても『この子は家を出たらきちんとするのではないか』と思えます」とお墨付きを与えます。 箸を上手に持てない娘に手こずっている母親である「通りすがり」さんからは、このトピが反面教師になったとのコメントが寄せられました。 「通りすがり」さんが「大人になったら恥ずかしいよ!」「好きな人にも嫌われちゃうかもよ!」と注意を繰り返しても、当の娘は取り合わず、途方に暮れていたのだとか。でも、「娘には将来幸せになってほしいので、正しく持てるようになるまで厳しく言い続けます」と気持ちを改め、「箸の持ち方は親のしつけとも言われますしね。私たち両親も恥をかきたくないし。トピ主さんのご両親は、他人に迷惑かけなきゃいいとのことですが、娘さんの幸せは考えてなかったんですね」と吐き捨てました。 箸やペンの持ち方を自ら矯正した人からも書き込みが相次ぎ、持ち方を直そうと決意したきっかけがつづられました。 「私も癖がある持ち方で、親にはよく注意されたものです。でもやっぱりトピ主同様、大したことではないと考えて全く矯正の努力を怠りました。だって、それで十分食べられるし書けるんだもの」と、トピ主さんの言い分に理解を示した「とまと」さんは、「トピ主は今回残念な結果になったから、きっと直すきっかけにはなると思いますよ。終わった縁は仕方ない。前を向いてこの別れを実のある教訓にせねば」とアドバイスします。 29歳の頃に持ち方を直したという「あや」さんは、かつては食べ物をきちんとつかめれば、どんな持ち方でもいいと思っていました。自分が批判されることも構わないと思っていましたが、「お里が知れる」などと両親が批判の矢面に立たされることがあると分かり、「親をバカにされるのは耐えられない」と考えを改めたそうです。 「ゆかちん」さんも高校生の頃、箸の持ち方を直したといいます。「大学に進学する直前に、東京で親戚の家に3週間ほどお世話にならなくてはいけないことがあり、その際に『あの嫁は娘に箸の持ち方すらきちんと教えてないのか』と思われるのが嫌で、何とか正しい持ち方で食べられるようにしました。自分の大切な母が、私のせいでそのように見られるなんて耐えられなかったからです」 箸の持ち方について、「誰にも迷惑をかけていない」というトピ主さんへの風当たりは強いですが、数は少ないものの、トピ主さんを擁護する意見も見受けられます。 職場の男性から箸の持ち方を指摘されたことがあるという「うちわ」さん。その時の様子について、見下されているような印象で、モラハラ気味な態度も嫌だったと振り返り、「箸の持ち方は確かに大事だし、その後、必死で練習して直したけど。でも、『それだけで人を判断するのはどういう価値観?』って思います。箸さえきちんと持てればなんでもいいのかと」と不快感をあらわにします。 そして、「トピ主さん、フラれてよかったと思いますよ。付き合い続けると、箸の持ち方どころかもっと色々言ってきたかもしれないし、そんな人とずっと一緒にいても、見られてるんだろーなーと思って落ち着かないでしょ」とトピ主さんを励ましました。 やはり箸を正しく持てないという「Kiruna」さんも、トピ主さんに共感する数少ない一人です。「お箸を正しく美しく持てる人、ペンを正しくバランスよく持てる人たちは、ある意味それしか自慢するものがないのかもしれません。だから必要以上に過激な言葉で叩き潰そうとする」と持論を展開。 その上で、「幸い結婚に際しては支障ありませんでした。お箸の他にもたくさん欠点がある私ですが、それらの欠点に目をつぶってくれた主人には感謝しかありません。ちなみに子どもたちは全員、お箸もペンもまともに持っています。『こんなことで振られる』一方で『こんなことを問題にもしない』男性もいますから、どうかお気を落とさないで」とエールを送りました。 農林水産省は「『箸』を正しく持つことは、家族や周囲の人々と気持ちよく食事をすることにつながる」とし、ホームページで「きれいな『箸』の持ち方とマナー」を紹介しています。気になる人は参考にしてください。 (読売新聞メディア局 鈴木幸大)