急速に普及した“生成AI”…アドビ株式会社CDOが語る“生成AI”の懸念に対する対応策とは?「一人ひとりがリテラシーを」
◆“生成AI”のメリット・デメリット
ここで、笹川が“生成AIが成熟していくことによるメリット・デメリット”について尋ねると、西山さんは「“便利な機能や製品が出てくると、誰かの仕事が奪われる”とよく叫ばれますが、アドビはそうは考えていません」と力を込めます。 続けて、「クリエイティブにおいて、最終的なアウトプットは製作者の頭のなかにあり、これは人間の仕事ですよね。我々のツールやサービスができることは、その頭のなかにある完成図を早く正確に再現するお手伝いしかできないんです。そのためにいろいろな機能を提供しており、生成AIもそのツールの1つでしかない、というのがアドビのスタンスです」と答えます。 一方、アメリカ大統領選挙では“生成AIによるディープフェイク画像”が問題になっています。それだけに、前述の“正当なコンテンツであることを証明する”という重要性を改めて訴え、「日本でも、大きな放送局が賛同の意思を示していただいていますので、きっと、これから多くのメディアが賛同してくださる流れになると期待しています」と今後の展望を述べます。 最後に「ディープフェイクが溢れるこの世の中で、我々が声高に言わないといけないことは、“一人ひとりがリテラシーを高く持たないといけない”ということが必ずセットになっています。SNSにアップされた画像を拡散するとき、“これは本当なのか?”と一度落ち着いて考える意識を持たないといけませんが、それを全員が必ずできるわけではない。それだけに、現在は“誰でも簡単に確認できる技術サポート”が実際に求められていると思っています」と話していました。 (TOKYO FM「DIGITAL VORN Future Pix」2024年11月2日(土)放送より)