2026年のサッカーW杯、6割以上の会場が暑すぎて危険
3会場の最高体感温度は49.5度!
さまざまな要素を取り入れて試算したところ、16会場のうち10会場で過度の熱ストレスを受けるリスクが高くなることが判明したそうなのですが、その中でもテキサス州ヒューストンとアーリントン、そしてメキシコのモンテレーの3会場では、選手の体感気温が49.5度以上になる可能性まであるそうですよ。 研究者たちはこの数値を「許容できない熱ストレス」と警告しています。 研究に参加していないキャンベラ大学スポーツ運動研究所のJulien Périard副所長は、今回の研究チームが用いた手法についても厳しい見方をしており、The Guardianにこう話しています。 この研究で用いられたアプローチは一歩前進と言えます。それでも、結果については極度の熱ストレスを招くリスクを過小評価している可能性が高いです。 また、考えなくてもわかりそうなことですが、16会場中15会場で午後2時から5時の間に熱ストレスが最大になるそうです。ヒューストンとアーリントンでは体感温度が50度を超える可能性があるとのこと。
ここで重要なお知らせ
ただ、この研究は空調設備を考慮に入れていないそうです。選手が許容できない熱ストレスを受けるリスクがあるとされている、アーリントンのAT&TスタジアムとヒューストンのNRGスタジアムには開閉式屋根とエアコンが備えられており、モンテレーのスタジアムも空調は完備されているそうなので、どんなに外が暑くても、空調システムさえ壊れなければ、選手や観客にとって危険な暑さにはならないはず。まさか真夏に屋根オープンでやらないでしょうし。 むしろ、西海岸のロサンゼルスやサンフランシスコ、シアトル、蒸し暑い中西部のカンザスシティ、フロリダ州マイアミ、メキシコ(2会場)のエアコンがないスタジアムで、い日と試合が重なったらヤバい気がします。 研究チームは暑さ対策として、開催時期の変更を推奨しています。2026年のワールドカップに限ると、残念ながらアメリカが涼しい季節はアメリカンフットボールのシーズン真っただ中でもありますし、テレビ局が膨大な放映権料を回収するには、他の人気スポーツと時期が重ならないようにする必要があるので、主要スポーツのなかでいちばん人気度が低いMLB(プロ野球)しかやっていない夏の前半に何がなんでも開催すると思います。これは将来的にも変わらないでしょう。 サッカーワールドカップと夏季オリンピックは、いったいいつまで夏に開催できるんでしょうね。どこかの時点で開催時期や開催地域を線引きしないと、ゲーム中に選手がバタバタ倒れるホラーなスポーツイベントになっちゃう気がします。 スポーツファンとしては、最高のアスリートたちが最高のパフォーマンスを見せられる時期と地域で開催してほしいです。 Source: Lindner-Cendrowska et al. 2024 / Scientific Reports Reference: The Guardian, ABC News
Kenji P. Miyajima