無観客、円陣なし、控えめゴールパフォ…対外試合再開に見えた新型コロナと共存する新しいサッカーへの戸惑いと決意
緊急事態宣言の解除を受けて、レッズは先月27日に少人数でのグループ練習をスタート。4日から全体練習へ移行したばかりで、フィジカルトレーニング中心のメニューが多く組まれた影響で身体も重かった。活動再開後で初めての対外試合となったゼルビア戦も、特に1本目は精彩を欠く時間帯が多かったが、それでも無駄にはならなかったと武藤は言う。 「一番のシミュレーションは、ファン・サポーターのみなさんがいない状況でピッチに立ったことですね。歓声がないなかで僕たちのアドレナリンがなかなか出ない部分もあったと思いますけど、だからこそみんなで試合前からより大きな声を出し合って、盛り上げていくことが重要なのかな、と。あとは声が通るので、試合中の修正なども選手間で伝えやすい点はプラスのポイントですね」 ピッチの外では新たな効果も生まれている。練習試合にはレッズのトップパートナー企業、DHLの冠がつく形で、動画投稿サイト『YouTube』内の「URAWA REDS OFFICIAL TV」でライブ配信。サッカーがある日常を待ち焦がれてきたレッズのファン・サポーターの熱き思いを象徴するように、トータルの視聴件数は約35万に、瞬間の最大視聴者数は約4万7000人に達した。 さらにインターネット上で同時開催されたイベントを視聴したファン・サポーターが、寄付金を介してレッズを直接支援できるギフティングを企画。合計金額および人数は非公表となったが、公式戦を見越して初めて実施された「投げ銭」には最高で一口10万円の寄付があった。武藤が続ける。 「投げ銭は新しい試みなので、僕自身、どのように動いているのかはちょっと見えないんですけど、ゴールすることでたくさんのファン・サポーターが喜んでくれると思う。同時にサッカーにはゴール以外の魅力もあるはずですし、僕たちがもっと、もっといいプレーを見せていくなかで、ファン・サポーターのみなさんが喜ぶ対価というものを見つけてくれれば、と思っています」