ウォルマート、ターゲットなどに学ぶ最新のオムニチャネル。カギは「データドリブン」「SNS活用」「インフルエンサー」
会員制スーパーマーケット「Sams Club(サムズ・クラブ)」を運営する米ウォルマートのEコマース担当サブリナ・カラハン氏(バイスプレジデント)とデジタルマーチャンダイジング担当のジョーダン・エディ氏(バイスプレジデント)は、フォックス氏と似た考えを持っています。
┌────────── 「サムズ・クラブ」の運用では、会員の維持・獲得にこだわっています。「サムズ・クラブ」のビジネスは会員制モデルなので、会員を獲得し、会費を支払ってもらわなければ運用できません。注力しているのは、会員に「サムズ・クラブ」を積極的利用してもらうこと。会員は1年ごとに、会員を継続するか、やめるかを決める権利があるため、会員を更新するタイミングが来た時に継続してもらうためです。(カラハン氏) └────────── 「サムズ・クラブ」が、コンピューターを活用して顧客の支払いプロセスをスピードアップする店舗用の新しい決済テクノロジーを発表したのは、米国のラスベガスで2024年1月に開催された電子機器の展示会「コンシューマー・エレトロニクス・ショー(CES)」。 この技術は、既存の「サムズ・クラブ」の決済システムである「スキャンアンドゴー」を発展させたもので、アプリを使って購入予定の商品を顧客が店内でスキャンできるようにしています。レジを通ることなく、スマホで商品登録から決済まで済ませることができる技術です。 ┌────────── ウォルマートの担当部門が開発したのは、顧客にとってストレスフリーな決済スキームです。買い物カゴのなかに入っている商品をスキャンする人工知能と、コンピュータービジョンの技術を応用し、「スキャンアンドゴー」を活用して、最終的にレジに並ばず店舗を出ることができるのです。(カラハン氏) └────────── カラハン氏によると、ウォルマートは10店舗の「サムズ・クラブ」で新たな決済スキームを試験的に導入し、会員のフィードバックを集めているところです。たとえば、決済スキームが「うまく機能しているのか」「便利だと思われているのか」「決済に関連する会員のストレスを軽減できたか」。「こうした細やかなこだわりこそが『サムズ・クラブ』が会員を大切にしている証です」(カラハン氏)