【闘病】「成人スティル病」治療で使ったステロイドの副作用で「糖尿病」にも…
「成人スティル病」とは、発熱や皮膚の発疹、関節症状が主な症状の炎症疾患です。症状は患者ごとに異なり、特徴的なものが少ないため除外診断(似た疾患の可能性を除外すること)が重要になります。闘病者のN.Aさん(仮称)はなかなか診断がつかず、確定診断までに1ヵ月を要したそうです。難病を抱えながら経営者として働き続けるN.Aさんに、これまでの経験を話してもらいました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2022年8月取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
成人スティル病と診断されるまで
編集部: まず初めに、「成人スティル病」とはどのような病気なのでしょうか? N.Aさん: 人によって症状が違うこともありますが、私の場合は37~39度の熱が1週間以上続き、1日の中でも上がったり下がったりを繰り返していました。ほかに膝の関節が腫れ、ひどい時は歩けなくなるほど痛くなりました。また手足にピンク色や痛みを伴う赤色の皮疹が出るなど、3つの症状がありました。 編集部: 成人スティル病が判明した経緯を教えてください。 N.Aさん: 2021年11月に手足に皮膚の発疹が表れ、皮膚科を受診したのが始まりでした。両腕の肘から手の内側に赤いポツポツができ、両太ももは外側の付け根から膝にかけて濃いピンク色になっていました。皮膚科でははっきりとした原因はわからず、飲み薬をもらって帰りました。その翌日に高熱が出たため、今度は近くの内科を受診しました。PCR検査をし(当時コロナ禍)、陰性だったため「風邪だろう」とのことで解熱剤と漢方薬をもらって様子を見ることになりました。 編集部: その後熱は下がったのでしょうか? N.Aさん: 数日経っても熱は下がらず、蕁麻疹も悪化し、膝の関節が腫れてきました。この頃から、歩行困難な状態になっていました。処方薬を変えたり、抗生剤も飲んだりしていましたが熱は下がらず、そのうちに蕁麻疹が脚全体に広がり、痛みと熱を帯びてきたため、総合病院の皮膚科への紹介状を書いてもらいました。それが受診した3つ目の病院になります。 編集部: なかなか診断がつかなかったのですね。 N.Aさん: そうですね。最初は皮膚の症状が強く出ていたので、皮膚科を中心に受診していました。今までの経緯を話すと、ウイルスなどの感染が原因ではないかとのことで、ステロイドの塗り薬を出してもらいました。ステロイドの塗り薬は効果があり、蕁麻疹は引いてきたものの、熱は変わらずに続いていました。総合病院の皮膚科では熱の原因までは分からず、皮膚科ではない所で診てもらうことを勧められました。 編集部: 「皮膚科以外」と言われても困りますね。 N.Aさん: そうなのです。結局、膠原病外来のある病院を受診することにしました。これが4つ目の病院になります。症状と血液検査の結果を見た先生から「成人スティル病」の可能性があるので、今度は大学病院で検査入院するように言われ、紹介してもらいました。5つ目となった大学病院では、2週間ほど検査入院をして、指定難病の成人スティル病と診断されました。 編集部: 成人スティル病はどのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? N.Aさん: ステロイドの錠剤を服用(ステロイドの副作用を抑えるための薬も併用)で、ステロイドの服用量を少しずつ減らしながら寛解を目指しています。最終的にはステロイドを飲まないで寛解となることを目指すのですが、担当の先生からは再燃(再発)が多い病気なのでステロイドを0にするのは難しいかもしれないと言われています。万一、ステロイドを減らしていく過程で再燃してしまった場合は、ステロイドのほかに免疫抑制剤も使用していくと説明を受けました。ステロイドは病気の治療には必要な薬ですが、同時に副作用が出た場合はそちらの治療も行っていくことになります。