【闘病】「成人スティル病」治療で使ったステロイドの副作用で「糖尿病」にも…
自分の体の些細な変化、いつもと違うなと思ったら受診して欲しい
編集部: 現在の体調や生活などの様子について教えてください。 N.Aさん: 退院してからはありがたいことに順調に治療が進んでいます。発症前と同じとはいきませんが、通勤ができる程には体力が回復しています。ステロイドは現段階で入院時から5分の1まで減り(取材時)、ステロイドが減るごとに体力が回復していくのを感じています。ステロイドの減らし方は、50mgを20mgに減らすまでは2週間で5mgずつの減薬。20mgを10mgに減らすまでは1か月で2mgずつの減薬となりました。10mgからは1mgずつの減薬になる予定です。 編集部: 治療のためとはいえ、ステロイドと向き合うのが大変だったようですね。 N.Aさん: そうですね。20mgに減った時は副作用であるステロイド糖尿病と診断され、コレステロールの値が上がって薬も増えました。20mgを切ってからはステロイド糖尿病も緩和されました。ステロイドの減少と共に体調に変化があるため、体に負担がかからないよう様子を見ながら生活しています。自分の体の些細な変化も見逃さずに生活をしていきたいと思っています。 編集部: あなたの病気を意識していない人に一言お願いします。 N.Aさん: 成人スティル病に限らず、一見元気そうに見えても実は病気と闘っている人は結構います。特別扱いする必要はないのですが、一緒に仕事をする時などに配慮が必要な時もあります。もし、周りに困っている方がいたら耳を傾けてほしいと思います。また、難病は発病の理由が分かっていないことも多く、誰もがかかる可能性がある病気です。発熱や蕁麻疹などよくある症状だからといって油断せず、ちょっと変だな、いつもと違うなと思ったらすぐに病院へ行って検査をしてほしいです。 編集部: 医療従事者に望むことはありますか? N.Aさん: 症状が落ち着き、こうしていられるのも医療従事者の方のお陰だと思っています。治療によって落ち着いた状態を保てていることに、まずは感謝の気持ちです。まだ解明されていないことが多い病気ですが、今後少しでも患者さんの明るい未来が広がっていくように治療が進歩していくことを願っています。 編集部: 最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。 N.Aさん: 大変な時もありますが病気にばかり目を向け過ぎず、一人の人間として何がしたいか、どう生きていきたいかを考えていくことが大切だと感じています。また、病気を持っていても社会と繋がれる場、自分の能力を活かして活躍できる場、あきらめずにやりたいことができる環境を作っていくことが必要と考えています。私は会社を経営していますが、難病当事者でもあるため、これからも働き続けることでひとつの例として実現していきたいと思っています。