【京都大賞典回顧】晩成型シュヴァリエローズが波乱の一戦制す まだ消えてはいない「京都外回りはディープインパクト」
惜しかったディープボンド
2着ディープボンドはケイアイサンデラが緩めない流れが自身の適性に合致した。京都だと勝負所の手ごたえがまるで違う名うてのコース巧者だけに、ここまでハマったのであれば勝ってほしかったという気持ちもある。結果はアタマ差。直線は完全にディープボンドの舞台だった。7歳でも強気に動き、レースを支配するスタミナは決して衰えてはいない。さすがに場所を選ぶので、東京、中山だと厳しいかもしれないが、元気に走る姿が尊い。 3着メイショウブレゲは後方から直線勝負がハマった。先行型が残れない流れに乗じた3着なので、これを額面通り受け取るのは危険だが、京都は万葉S勝ちなど相性がいい。目黒記念では2着シュヴァリエローズと0.5秒差。10着という着順に惑わされてはいけなかった。ゴールドシップの産駒は平坦、もしくは坂が目立たないコースに強い。下りを利用して反応できるのも適性的に合う。今秋は暮れまで続くロングラン開催で、こういった血統の特徴もフルにいかしたい。 2番人気サトノグランツは5着。位置取りとしては伸びてきておかしくなかったが、ちょっと鈍かった。休み明けが敗因なのか。そう溜めてよさそうなタイプではなく、もう少しすんなりした流れを利用し、前で立ち回りたいところ。変則的な流れが合わなかったのは確かだ。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『アイドルホース列伝 超 1949-2024』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳