東京都医師会・尾崎会長「年末が正念場」 医療従事者が疲弊では「医療守れない」
東京都医師会の尾崎治夫会長は8日、記者会見し、新型コロナウイルスが「東京中に蔓延している」としたうえで「第2波」に比べて医療従事者の数を必要とする重症者、高齢の入院患者が多い点などを挙げ「医療者が疲弊している状態では医療は守れない」と強調した。 【動画】東京都医師会が会見 感染予防の徹底呼びかけ
会見で、尾崎会長は「患者は1か月前から比べると、1.8倍以上に増えている。重症者も20人前後からきょうは60人。約3倍に増えている」と説明。無症状・軽症の患者はホテルなどの宿泊療養や自宅療養となる一方で、入院するのは中等症、高齢者、持病を抱える人で「中等症の方でも、例えば(自ら)動きが十分に取れない患者さんの場合は看護が大変な状態で、一人一人の(の患者にかかる)負担もかかるし、入院期間も伸びてきている」と続けた。 8月以降、多くの患者と向き合うスタッフは心身ともに疲弊しており、さらに「11月、12月の患者さん急増でかなり疲弊がさらに強まっている状態」だと主張した。そして、「これ以上感染者や重症者が増えれば、コロナ患者も一般患者も両方守れない、そういう状態が近づいている。手術をすでに延期されている方もいる」とも語った。 また、冬場は、狭心症・心筋梗塞・大動脈疾患・心不全・肺炎などの病気が「寒くなるに伴ってさらに増える」との傾向を説明し、「これ以上患者が増えれば、コロナ患者も一般患者も守れない。年末が1つの正念場だ。若い方から年配の方まで、是非、コロナは怖いんだ、コロナにかかるとみんなに影響が出るよ、と(認識を共有してほしい)。絶対にコロナにかからない生活に心がけていただきたい」と訴えた。 外出に際しては「単に外出するなと言っているのではない」とも述べた。「(政府の)分科会が出した感染リスクが高まる5つの場面を思い起こしていただいて、マスクを外して長時間大声を出したり、しゃべったりするのが危険なんだ、と。そういうことを見直していただきたい」と述べた。