ただいま建て替え工事中 ── 名古屋の顔「大名古屋ビルヂング」はどんな風に変わるの?
「地元の要望」からビルの名称はそのまま
とはいえ旧ビルへのノスタルジーを感じずにはいられない人々も多い。変わらないで残るものも、あるのだろうか。「もちろんあります。まず、ビルの名前です」と笑顔を見せる出雲さん。 大名古屋ビルヂング―。地元だけでなく県外から来る人にもインパクトを与えていたのは、この名称、そしてビル名が大胆に記された屋上の大看板によるところも大きい。「大名古屋」「ビルヂング」という語に、名古屋ならではの独自性や気恥ずかしさを感じ得ないという向きもあるようだが、「ビルヂング」については英語の「building」の日本語訳がダ行の「ヂ」であるためこの訳に。戦前の日本では特段珍しくなく、昔の三菱地所のビルはほぼ「ビルヂング」の表記だった。 だが「丸ノ内ビルヂング」「新丸の内ビルヂング」が、近年の建て替えにあたっては「丸ノ内ビルディング」「新丸の内ビルディング」と名称を改めた事例などに対し、大名古屋ビルヂングは名称を踏襲する。「地元の皆さんから、残してほしいという要望がとても多かったので。弊社のビルで建て替え時に“ビルヂング”の名称を残したのは、このビルが初めてです」(出雲さん) 閉館後の2012年12月には、「大名古屋ビルヂング」屋上文字看板撤去のシーンが、各メディアでも大々的に報じられている。 出雲さんは「“大名古屋ビルヂング”の看板は従来と同じようには設置できませんが、別の形でビル名を掲示予定です。新ビルに、県外からのお客様に来ていただくのはもちろんありがたいことですけど、地元の皆様のためのビルでありたいという部分は、変わることはありません」と話す。 新しい大名古屋ビルヂングは、2016年3月の完全オープンを目指す。オフィス部分も、約2倍のスペースとなる予定だ。 (編集プロダクションエディマート)