パワハラ上司な親にならないための「合意づくり」のコツは? 親子の関係を壊さないために
対等な関係で合意づくりを!
子どもの権利条約の第12条に、子どもが意見を表明する権利について書かれていることはご存じでしょうか? 【子どもの権利条約】 第12 条 意見を表す権利…子どもは、自分に関係あることについて自由に自分の意見を表す権利をもっています。その意見は子どもの発達に応じて、じゅうぶん考慮されなければなりません。 子どもは自分の意見を持つことができ、その意見を伝えることができます。 そして、大人たちはそんな子どもからの意見を受け止めることで、子どもが意見を表明する権利を守ることになるのです。 じつは、このときによく起こりがちなのが、「子どもの意見を受け止める」ことを「子どもの言いなりになる」ことと同じと誤解してしまうケースです。 ちょうど先ほどのマウントを取って子どもを言いなりにしようとする親とは真逆の状態ですよね。 これはこれで困ります。 たとえば、子どもがゲームをやりたいんだったらやりたいだけさせてあげようとか、お店の中で大きな声でしゃべりたいんならしゃべらせてあげようとか……その子の健康や生活習慣にとってよくないことであったり、周囲の人たちの迷惑になるようなことについては、仮にそれが子どもからの要望であっても、こちらから毅然とストップをかける必要があります。 子どもの意見を受け止めることは、子どもの言いなりになる、つまり意見をまるっと受け入れることとは必ずしも同じではないのです。 受け止めるのは、あくまでもその子の思いや考えを知るためです。 たとえば、「アイツがイヤなことを言ってくるからムカつく~っ!」と聞いたとき、その子の腹立ちをわかることができますよね。 そして、「そうなんだね」「それはイヤだったね」などの言葉をかけることもできるでしょう。 ところが、「だから、今からアイツのことをなぐってくる!」と言われたらどうでしょうか? そこで、「それがあなたの願いなら、気がすむまでソイツをなぐっていらっしゃい!」と返す親はさすがにヤバいですよね(汗)。 その子の腹立ちはわかり(受け止め)ました。しかし、なぐりたいという要望は認められ(受け入れ)ません。 受け止めると受け入れるにはこうした違いがあるのです。 お互いに違う思いや考えがあって、それぞれの意見がときにぶつかり合いながら、お互いが納得できる合意をつくっていきたいものです。
中山芳一(All HEROs 合同会社代表)