老舗蕎麦『神田まつや』に教わる、乾麵が格段においしくなる茹で方【年越しは「新蕎麦の乾麵」で】
さらに凝るならば……「かえし」と「だし」で本格つゆを
市販のつゆは手軽だが、よりおいしく仕立てるにはつゆづくりに挑戦したい。つゆは、“かえし”に鰹節や鯖節から取っただしを加えてつくる。かえしとは醬油、本みりん、砂糖を混ぜた調味料で江戸時代に誕生。その名は「つくっておいた醬油を煮返した」ことに由来する。かえしは店の味の決め手であり、代々受け継がれる大切なものだが、家庭でも試せるようなレシピを教わる。ちなみに『神田まつや』では冷たい蕎麦に使うつゆは「辛汁」、温かい蕎麦に使うつゆは「甘汁」と呼ぶ。 材料(つくりやすい分量) 醬油 360ml 本みりん 36ml 砂糖 65~70g つくり方 1.鍋に醬油を入れ、中火で温める。 2.表面に細かい泡が広がったら、いったん火を止め砂糖を加える。 3.砂糖が溶けたら、本みりんを加え、ゆっくり混ぜ弱火で加熱する。 4.沸騰する直前に火を止める。完全に冷めたら、ホウロウ製の容器に移し、キッチンペーパーをかけ、冷暗所で3日以上熟成させる。 ◆「蕎麦つゆ」にするには ・かつおだし(沸騰した湯400mlに削り節15~25g程度を入れて煮立て、濾したもの)と「かえし」を合わせる。 ・もりつゆの場合 かえし1:かつおだし3~4 ・かけつゆの場合 かえし1:かつおだし9~11 ◆指導 小高孝之さん(『神田まつや本店』店主・59歳) 大学卒業後、蕎麦職人として修業を始め蕎麦打ちから調理まで学び、現在は6代目店主として店を取り仕切る。『神田まつや』では毎年、大晦日に8000食以上の蕎麦が出る。 ※小高さんの「高」は正しくは「はしごだか」です。
神田まつや本店
東京都千代田区神田須田町1-13 電話:03・3251・1556 営業時間:11時~20時30分(平日)、11時~19時30分(土曜・祝日)、最終注文は閉店の30分前まで 定休日:日曜、月曜 約60席。 交通:地下鉄丸ノ内線淡路町駅、都営新宿線小川町駅より各徒歩約1分 取材・文/宇野正樹、山崎真由子(「崎」は正しくはたつさき) 撮影/藤田修平 ※この記事は『サライ』本誌2025年1月号より転載しました。
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