全身骨格50体! 国内最大の「恐竜博物館」:新幹線延伸で注目高まる福井の人気スポット
福井県の目玉観光地「恐竜博物館」は北陸新幹線延伸を見越して2023年にリニューアルした。没入感たっぷりの映像空間やリアルな研究体験コーナーも魅力。子どもはもちろん、大人にも驚きと発見がいっぱいだ!
恐竜に“全振り”した観光PR
JR北陸新幹線・福井駅に降り立った観光客は、あまりに恐竜だらけで驚くだろう。改札口では巨大な全身復元骨格がお出迎え。駅前には全長10メートル、高さ6メートルのフクイティタンをはじめ4体のロボットが鳴き声を上げ、首や胴体を揺すって歓迎してくれる。 福井県が「恐竜王国」となるきっかけは、お隣の石川県で肉食恐竜の歯の化石が発見されたこと。それを受けて同じ地層が広がる勝山市で1989年から本格的な発掘調査を開始。約1億2000万年前(前期白亜紀)の地層が地表に露出している好条件により、これまで30年余で国内最大規模の恐竜化石を発掘してきた。 その勝山市で2000年にオープンしたのが、世界有数の標本数を誇る県立恐竜博物館だ。福井駅から車で1時間ほどかかるが、開業以来、累計1300万人が訪れた人気スポットだ。
全身骨格とリアルな復元模型に圧倒される
博物館は2023年夏、施設を約1.5倍にする大規模リニューアルによってさらに魅力をパワーアップ。最大の見所は本館1階「恐竜の世界」ゾーン。本物の化石を使った10体を含む実物大の骨格標本50体は圧巻だ。 「実物の化石を9割使った標本もあります」と事業教育課課長の松下准城(じゅんじょう)さんが教えてくれた。40体は完全なレプリカだが、実物化石から型取りしているので十分にリアルだ。全身骨格の傍らには復元ミニチュアが同じポーズで並び、生きた姿への想像が膨らむ。 このゾーンで見逃せないのが「福井県の恐竜」コーナー。国産では初の復元であるフクイサウルスの全身骨格をはじめ、2023年9月に国内11例目の新種に認定されたティラノミムス・フクイエンシスなどの恐竜6種に加えて、極めて原始的な鳥類のフクイプテリクスも常設展示している。 リニューアルを機に加わった目玉展示が「ブラキロフォサウルスの実物ミイラ化石」。皮膚の模様、筋肉の痕跡など7700万年前の原形を奇跡的にとどめており、保存状態の良い化石としてギネス世界記録に登録されている。