藤原和博流<良い会社、悪い会社を見極める3つのポイント>。派閥がない組織だからこそ仕事重視の風土が形成される
最近のアメリカではテクノロジー業界を中心に大規模な人員削減が起こり、リストラは今も続いていると言われます。そのようななか「会社に身を任せて生きていくのは危険。必要なのは、自分が勝てそうな<場所取り>をすること」と話すのは、リクルート社の初代フェローを経て教育改革実践家として活躍する藤原和博さん。今回は、藤原さんの新刊『どう生きる?――人生戦略としての「場所取り」の教科書』より「良い会社、悪い会社を見極める3つのポイント」について紹介します。 【書影】「組織を離れてもメシが食える」生き方とは。藤原和博『どう生きる?――人生戦略としての「場所取り」の教科書』 * * * * * * * ◆「社員皆経営者主義」のリクルート 私が大学卒業後、リクルートに入社した理由は、リクルートでアルバイトをしていたからです。 アルバイトなのに、大きなエネルギーをもらえたのです。 リクルートの最大の特徴は「社員皆経営者主義」です。 アルバイトに至るまで情報を開示し、誰もが経営者のように仕事やシステムの改善について考え、発言し、しばしば改善を実行できました。 たとえば新規事業は、新規事業開発室が行うのではなく、RING(Recruit Innovation Group)コンテストに参加したグループで、入賞すればできます。 予算がつき、人事も行われ、その事業を主体的に自分たちで実行できたのです。
◆仕事重視の風土 採用PRの仕事では、大手企業の人事部だったり、中小企業の社長だったり、組織のコアな人材との仕事が中心でした。 営業は「顧客から教えてもらう」主義で、お客さんからエネルギーをもらいました。 雑誌「住宅情報(現・SUUMO)」では、不動産デベロッパーの売り上げにかかわる開発部門やマーケティング部門と直接仕事をしていましたから、社会を変えている、動かしていることを自覚できました。 「じゃらん」「ゼクシィ」も同様です。仕事の相手先のモラルが高いと、エネルギーが入ってくる。 リクルートでは他人の足を引っ張ったり、社内の派閥で政治的に動いて相手を貶(おとし)めたり、といったこともいっさいありませんでした。 城山三郎(しろやまさぶろう)や池井戸潤(いけいどじゅん)が小説で描くような社内の確執や嫌がらせは聞いたことがありません。女性もいきいきと活躍していました。 派閥が形成されていない組織では、仕事重視の風土が形成されるのです。
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