まるで“ウユニ塩湖”! 瀬戸内海の絶景と食文化に出会う香川の旅へ【瀬戸内ジオ・ガストロノミー】
製塩業と海運業で栄えた仁尾の町をそぞろ歩く
父母ヶ浜のある仁尾町は遠浅の海岸での塩田による製塩業と、潮目という地の利を活かした海運業で栄えた町。町を見下ろす高台に城跡があり、古い町並みも残っているから、父母ヶ浜の夕暮れを待つ昼に散策するのも楽しい。 江戸中期に創業してから約280年、今でも地下水をくみ上げて酢の醸造を続ける田野屋の「仁尾酢」は、ぜひおみやげにしたい逸品だ。 田野屋 中橋造酢
燧灘を一望するもうひとつの絶景スポット
父母ヶ浜のある仁尾町から南へ車で15分ほど、古くから名勝とうたわれている琴弾公園からの景色も美しい。園内には巨大な砂絵や寺院が点在し、2キロにわたって砂浜が続く有明浜は夏には絶好の海水浴場となる。「この砂浜は、近くの財田川が運んだ砂による海岸砂洲。同じような海岸線に見えても先ほどの父母ヶ浜とは成り立ちが違うんですよ」と長谷川先生。 有明浜から歩いてすぐの「道の駅ことひき」にあるカフェでは、「七宝山の清水」と呼ばれる湧水にこだわるコーヒーが飲める。 絶景散歩の途中にぜひ立ち寄りたい。 道の駅ことひき ことひきカフェ 長谷川修一(はせがわしゅういち) 東京大学大学院で地質学を専攻。香川大学特任教授・名誉教授。NHK番組「ブラタモリ」に出演し、香川県の案内人をつとめる。2019年に讃岐ジオパーク構想推進準備委員会を立ち上げる。大地の成り立ちから地域を見つめ、防災や地域振興、人材育成など各方面で精力的に活動中。 協力 三豊市観光交流局
請川典子