最下位でも阪神・金本監督は続投濃厚?どうなる?!セパ12球団の監督去就
プロ野球のペナントレースが大詰めを迎えている。広島、西武の優勝へのカウントダウンの一方で、水面下で急ピッチで進んでいるのが来季に向けての監督人事だ。12人いる監督の首筋に向かって吹く風も、冷たい秋風だったり、無風だったりしている。 続投が決定的なのが、セ・リーグでは、V3寸前の広島の緒方孝市監督(49)だ。就任4年目で3度の優勝。広島の黄金期を築き松田オーナーからの信任も厚い。2位をキープしているヤクルトの小川淳司監督(61)も続投濃厚だ。今年が監督復帰1年目。宮本慎也ヘッド(47)や石井琢朗打撃コーチ(48)ら新しいコーチ陣の意見をうまく吸い上げて集約した。戦力的には投手力で大きく劣るが、途中、石山泰稚をストッパーに配置転換するなど、うまくやりくりをしながら乗り切ってきた。 パ・リーグに目を向けると、マジックが点灯した西武の辻発彦監督(59)と、就任1年目で3年契約を結んでいるロッテの井口資仁監督(43)の2人の続投が決定的だ。2年目の辻監督は、機動力をうまく絡めながら山川穂高という和製4番を育て不安だった投手力を爆発力のある打線でカバーした。ペナントレース序盤は、先発投手に勝ち星をつける我慢采配も目立った。井口監督は、球団から長期的なチーム再建を託されており外国人野手の補強失敗の影響でチーム本塁打数が、12球団最低の64本ながらも、勝率5割をキープしていた時期もあるなど大健闘。戦力さえ整えばという期待感がある。 続投が濃厚なのは、セでは、巨人の高橋由伸監督(43)、阪神の金本知憲監督(50)、パでは、ここからの奇跡の逆転優勝を狙うソフトバンクの工藤公康監督(55)、日ハムの栗山英樹監督(57)の4人だ。 高橋監督は、球団史上最長タイとなる屈辱の4年連続V逸となったが、読売系のスポーツ紙は一面で早々と「続投」と打った。2年連続でCS出場を逃すと、そうスンナリといかないのかもしれないが、決定的な後任候補が不在だ。前監督の原辰徳氏は、退任時の“しこり”が本社内に残っており、前横浜DeNA監督で、巨人OBの中畑清氏も、そのフィールドマネジメント能力に疑問を持たれている。 現役続行を願っていた高橋監督に無理を言って引退させて監督就任させたという経緯も手伝って、監督人事権を持つ“ナベツネ”が高橋支持を表明している。 金本監督は、昨年オフに“3年契約”を結んだ1年目。フロントトップもガラっと入れ替わり、球団内には“まだ再スタートして1年目”の甘い考えがはびこっている。監督人事に関しては本社マターで、もし金本監督を解任すれば、2年分の、そう安くない給料を支払わねばならない。複数年契約があり、できる限り監督人事に手をつけたくないという“ことなかれ主義”の阪神の風土からして、よほどのことが起こらない限り、監督交替の決断は下さないだろうと見られている。金本監督が責任を感じて辞任すれば話は別だが、選手起用を見ても若手中心で来季以降を見据えている。阪神も3位、最下位の両方の可能性があるが、結果にかかわらず監督人事に関しては意外にも無風に終わりそうなのだ。