無印良品「地域土着化」で変容した売れ筋の中身 2021年に第2創業、客層が広がり最高益を更新
かつて衣料や生活雑貨をメイン商品としてきた「無印良品」(運営は良品計画)は、近年、その横顔を大きく変えている。 【写真を見る】テレビ番組でプロ料理人のお墨付きを得た人気のレトルトカレー商品 「食品や化粧品を買われる方も多く、日常的にご利用いただいており、顧客層も広がりました」(経営企画部広報課) 業績も好調だ。国内623店(無印良品単独、その他含めて655店)、海外682店(同709店、2024年8月現在)と国内外で1300店以上を展開。2024年8月期の連結売上高は6616億7700万円(前年比13.8%増)、純利益415億6600万円(同88.5%増)と3期ぶりに過去最高純益を更新した。
同社は、1980年に西友のPB(プライベートブランド)として誕生したが、1989年に西友から独立して(株)良品計画を設立。30年以上たち、西友時代を知らない人のほうが多い。 なぜここまで成長したのか。その要因を探ってみた。 ■看板商品・レトルトカレーは50種類以上 消費者に無印良品について聞くと、「レトルトカレーが好き」と答える人は多い。現在は50種類以上を展開しており、店の看板商品となっている。
11月30日に放送された人気テレビ番組「ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!」(TBS系)には同社が初参戦。出品したカレーやパスタソース、スープやコロッケなどの食品が試食したプロ料理人の判定を受けた。 結果は10品中9品が合格という好成績で、同社公式サイトには合格した商品「焙煎スパイスのごろり牛肉カレー」や「素材を生かしたカレー グリーン」などが紹介(販売)されている。ちなみに不合格は「煮込んでつくるスープパスタの素 香味野菜とポルペッティ」で、無念の涙を流す担当者を上司や同僚が慰めつつ励ます姿が印象的だった。
番組の反響は大きく、一時は登場商品の注文が殺到したという。 「日常の食卓をサポートする食品開発には力を入れており、冷凍食品は国内約300店で展開中。『キンパ プルコギ』『かしわめしのおこわおにぎり』なども人気です」(経営企画部広報課) 冷食はこの10年で味も品質も向上し、店の味に近い商品も増えた。アイテム数を増やす同社は食品メーカーとしてのイメージも高まっている。 ■地域密着で日用品や化粧品の売り上げが拡大