総合リーダーのカルボーニがクイーンステージを制す!|ツアー・オブ・ジャパン富士山
総合リーダーのジョバンニ・カルボーニが独走でクイーンステージを制す
ふじあざみラインに入ると先頭ではウォーカーがトネアッティを発射する。 ふじあざみラインの序盤、残り9kmでタイム差が1分まで縮まると、メイン集団の人数もかなり絞られる。そしてここで勝負の鐘を鳴らすかのように、昨年このステージで2位に入っているベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、ヴィクトワール広島)がアタック。追走は総合リーダーのジョバンニ・カルボーニ(イタリア、JCL TEAM UKYO)、クドゥス・メルハウィ・ゲブレメディン(エリトリア、トレンガヌサイクリングチーム)の2名となり、2名がダイボールに追いついて追走は3名に。 残り6kmを切った旧馬返しと呼ばれる区間で、追走の3名がトネアッティに追いつき、トネアッティはそのままついていくことができず先頭は3名に。ダイボールがペースをコントロールする中、後ろからはアドネ・ファン・エングレン(オランダ、ルージャイ・インシュアランス)が追走、15秒程度のタイム差で追走する。 残り2kmを前にここまで静観を見せていたクドゥスがアタックし、追走はカルボーニのみ、ダイボールは少し遅れる。さらに残り1kmを前にクドゥスが苦しそうな動きを見せると、カルボーニがアタックし、一気に差を広げる。 カルボーニはそのまま独走でフィニッシュ前に姿を現し、総合リーダージャージを着用した状態でクイーンステージ・富士山ステージを制するという素晴らしい走りを見せた。そして、総合成績で2位以下に2分以上のタイム差をつけて相模原ステージを迎えることとなった。 2位にはクドゥスが、3位にはダイボールが入る。クドゥスとダイボールの差はわずか2秒となり、総合成績では2位ダイボールに対して3位クドゥスが3秒差という僅差の状態に。この日は中間スプリント含めてボーナスタイムの設定がなかったが、翌日の相模原ステージ、2日後の東京ステージでは中間スプリントポイントおよびフィニッシュでの上位3名にボーナスタイムが設定されており、中間スプリントポイントでは3秒、2秒、1秒、フィニッシュでは10秒、6秒、4秒がそれぞれ上位3名に与えられる。フィニッシュだけでなく中間スプリントでも総合順位が入れ替わるという状況なだけに、明日のレースでクドゥスや9位のカーター・ベトルス(オーストラリア、ルージャイ・インシュアランス)までの選手たちがどのような動きを見せるのか注目だ。 また、中間スプリンポイントおよびフィニッシュはポイント賞ジャージにも大きな影響を与える。さらに山岳賞ジャージ争いについても、ニコラス・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ・カザクスタン・ディベロップメントチーム)が3回設定されている山岳賞ポイントをすべて1着で通過し、現山岳賞リーダーの中井唯晶(シマノレーシング)が1ポイントも獲得できなければ、大逆転で山岳賞ジャージが入れ替わる可能性もまだ残されている。明日は様々な思惑の中でレースが展開されることが予想されるだけに、どのようなレースとなるのか注目いただきたい。