40代のパート主婦。「103万円の壁」を意識して働いていましたが、シフト増を検討中。「106万円・130万円の壁」になると、どう変わる? それぞれの違いを解説
給料の手取り額が減るのを避けるために、「年収の壁」を意識して労働時間を抑えているパートやアルバイトの人は多いでしょう。しかし、年収の壁にはいくつかの種類があることや、そもそも壁を越えたらどうなるのかは、よく分かっていない人もいるのではないでしょうか。 本記事では、「103万円の壁」「106万円の壁」「130万円の壁」という代表的な3つの年収の壁について解説します。なお、本記事は2024年12月9日時点の情報に基づきます。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
「年収の壁」とは?
年収の壁とは、所得税や社会保険料の支払いが発生するボーダーラインとなる年収額のことです。年収の壁は大きく3つに分けられます。 ・税金に関わる「壁」 ・社会保険に関わる「壁」 ・配偶者手当に関わる「壁」 「103万円」は税金に関わる壁、「106万円」と「130万円」は社会保険に関わる壁にあたります。なお、配偶者手当に関わる壁については支給条件が会社によって異なるため、今回の記事では解説しません。
「103万円の壁」は所得税の支払いが発生するライン
年収が103万円を超えると、所得税の支払いが発生します。所得税は、年収から103万円を引いた金額に税率をかけて算出されます。 例として、年収110万円の人の所得税額を計算してみましょう。税金に関わってくる所得(課税所得)は「110万円-103万円=7万円」です。年収が195万円未満の場合の税率は「5%」ですので、所得税の金額は「7万円×5%=3500円」となります。 103万円という金額が年収の壁となる理由は、年間の所得から差し引かれる「基礎控除」と「給与所得控除」を足した金額が103万円になるからです。控除額よりも年収が上回ると、所得税がかかります。 ■「103万円の壁」は子どもが扶養から外れるラインでもある 子どもの年収が103万円を超えると、親は「扶養控除」を受けられなくなります。扶養控除とは、納税者が子どもなど親族を養っている場合に受けられる所得控除です。 扶養控除が受けられなくなると課税所得が増えてしまい、所得税も高くなってしまいます。親の納税額を減らすために、子どもがアルバイトなどをする際には年収103万円以内に収まるように働いてもらう、といった対策が有効です。