なぜ?「ヘルシーな和食が基本なのに、一向に痩せないんですけど?」【40代・50代のダイエット悩みに管理栄養士・麻生れいみがズバリ解答! ②】
和食は、調理がシンプルで「素材が目に見える」ものを選んで!
では、どんな和食なら太らない、もしくは痩せやすいのか? 「まず、主食のお米は少なめに。家庭のご飯茶碗1杯は約150g。含まれる糖質は50~55gです。これ、角砂糖に換算すると13個分だって知ってた?これらの量を半分にすることから始めましょうか。 お店では茶碗が大きめで1杯180~200gくらいあることが多いので、より注意が必要。玄米でも糖質量は同じ。雑穀米なら糖質量は少し減らすことができます。 タンパク質や野菜類などのおかずを先に食べ、おかずでお腹がいっぱいになるなら、主食は無理に食べなくてもいいという考えに。 そして、隠れ糖質の多い調味料を避けるためには、調理がシンプルなものにしましょう。砂糖やみりんを使う煮物よりは、焼いたり蒸したり、炒めたりしたもの。素材が目に見えることが一番です! 何が入っているかわかるものね。 つくねじゃなくて鶏をそのまま焼いたもの、魚もつみれじゃなくて刺身や焼き魚。迷ったら素材が目に見える調理法のメニューを選ぶと間違いありません」
麻生さんがこれまでに食事指導した人の例を見てみよう。 「和食派で、よくお店の定食メニューを利用している方です。 いちばん好きな『鶏と野菜の黒酢あん』定食(ご飯180g)。そこにひじきの煮物の小鉢をプラスしてあり【糖質の合計:133.5g】です。 シンプルな調理法のメニューをとアドバイスしたところ、『サバの炭火焼き』定食にしてくれました。これなら【糖質の合計:75.7g】です。 別の日はさらにステップアップして、ご飯をやめて自主的に『ひんやり豆腐サラダ』にしました。すると【糖質の合計:12.3g】に! 糖質量はひと桁違います! シンプルな焼き魚には糖質がほとんどないことがわかるでしょ? こんなふうに、和食の糖質には落とし穴がいっぱい。ね、和食で太らない、なんていうのは幻想です!」
【教えてくれたのは】 麻生れいみさん 管理栄養士・料理研究家。東京医療保健大学大学院医療保健学研究科医療栄養学領域修了。慶應義塾大学SFC研究所 食・フードサイエンス&テクノロジー共同研究機構メンバー。著書は『麻生れいみ式ロカボダイエット』(ワニブックス)、『20kgやせた! 糖質オフ入門 最新版』(宝島社)などすでに28冊に及ぶ。ベストセラーも多数。 取材・原文・画像制作/蓮見則子 イラスト/カケハタリョウ