なぜ?「ヘルシーな和食が基本なのに、一向に痩せないんですけど?」【40代・50代のダイエット悩みに管理栄養士・麻生れいみがズバリ解答! ②】
糖質のとりすぎで太る理由、それは「体脂肪のもとになるのがおもに糖質だから」
「糖質をとりすぎると、なぜ太るのか?」 そこが重要だった。糖質は太るとよく聞くけど、実際なぜなのかわかっていない人が多い。 「ズバリ、答えましょう。体脂肪のもとはおもに糖質だから! お米やパン、麺、いも類などの『ほぼ糖質』は、体内でブドウ糖になります。糖質を多くとりすぎると、急激に血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が上がります。 すると体は危機を感じて、インスリンというホルモンをドバッと出して血糖値を下げようとする。このインスリンがくせ者で、血液中の糖質を薄くするとともに、余った糖質を中性脂肪に変えてため込もうとする働きがあるの。この中性脂肪が皮下脂肪や内臓脂肪になるのよ。知ってた? だから、脂肪をため込むお手伝いをするインスリンは『肥満ホルモン』と呼ばれたりしてます。 そもそも、血糖値の急激なアップダウンは、眠くなったりイライラするなどメンタルを不安定にすることも。イライラ解消のために脳はさらに糖質を欲しがるという悪循環に陥る。これが『糖質中毒』『糖質依存』などといわれる理由。 さっき『砂糖には中毒性があるからお惣菜をリピートしてしまう』と言った意味はそこです。もちろん、ブドウ糖はエネルギーとして消費されれば問題ないので、消費されないほどとりすぎていないかが重要よ」
タンパク質と脂質は必要なの、こっちは少なくしないでね!
「糖質の話をすると『そうはいっても、カロリーは少ないほうがいいのよね?』という人が必ずいます。 脂質やタンパク質は、確かに糖質よりもカロリーは高い。でも、カロリーという机上の概念を切り離さないと、肥満ホルモンといわれるインスリンの作用とごちゃごちゃになってしまうでしょ。糖質制限をしているつもりで、実はカロリー制限も同時に行ってしまうことになるの。 摂取カロリーが基礎代謝量を下回ってばかりいると、体は飢餓状態に備えようとして消費エネルギーを下げて節約モードになり、太りやすくなるタイプの人もいます。 和食は油脂が少ないので、カロリーが少なくてよさそうに見えるけど、これまた大きな誤解。よい油脂は細胞を元気にします。脳、神経、皮膚などを健やかに保つために欠かせない栄養素。油脂を極端に減らすと、細胞が活力を失って抵抗力が落ちるなど健康によくないばかりか、お肌や髪の毛がカサカサパサパサになったり、美容面でもよくないです。 このところ世界的にも日本食ブームだけど、どちらかといえば『プラントベース』という意味で健康的といわれているのよ」 プラントベース? それは直訳すると「植物由来」。 「動物由来の原材料を使わず、植物由来の材料で作られた食品や、植物由来の食品を積極的に取り入れる食への考え方を指します。 欧米は、ステーキをはじめとして肉を食べる量が半端ない。そこを『動物性は減らして植物性のタンパク質を入れていこう』という流れになっているわけです。 だから豆腐などの大豆製品が世界で人気なの。日本人の食事はもともと大豆製品が多いので、そもそもがプラントベースぎみでした。たんぱく質は植物性と動物性で1:1のバランスを意識しましょう!」