タンク内に「青カビ」現場担当者「ある程度混じる」と問題視せず…小林製薬「紅麹問題」事実検証委員会が調査報告書を公表「遅くとも2月上旬以降に全社を挙げて早急に対処すべき緊急事態だった」
小林製薬の紅麹を含むサプリメントを摂取した人から健康被害を訴えている問題で、小林製薬は外部の有識者からなる事実検証委員会の調査報告書を公表しました。 調査報告書の中では、「医師から健康被害に関する報告を連続して受けていたにもかかわらず、遅くとも2月上旬以降、全社を挙げて早急に対処するべき緊急事態として、直ちに専門家らとコンタクトを取り、行政に相談するなどの速やかに相談し、その力を借りる姿勢が強く求められていた」などと当時の対応について、言及されています。 また。調査報告書によりますと、小林製薬の大阪工場ではおおととし11月ごろ紅麹を培養するタンクの蓋の内側に青カビが付着していていることが確認されたものの、品質管理担当者が「青カビはある程度は混じることがある」として、問題視していなかったことが新たに分かりました。 小林製薬は紅麹問題をめぐり、一連の問題について経営責任を明確にするため、7月23日に行った取締役会で、現会長の小林一雅氏と現社長の小林章浩氏が辞任し、新社長に山根聡専務(64)が昇格する人事を承認したと発表しました。 小林製薬では、創業家以外から初めてのトップとなります。 小林製薬の「紅麹」成分入りのサプリメントを巡っては、今年1月に健康被害を把握したものの、国や自治体への報告は2か月以上すぎたあとで、対応の遅れが指摘されていました。 また、今年1月~6月までの半年間について、代表取締役社長と専務取締役の役員報酬の一部を返上すると発表しました。