【まだ見ぬ台湾に出合う旅】 「星のやグーグァン」からたどる 原住民の暮らしと日本の面影
泰雅族の口琴が奏でる神秘の音色
谷關は温泉地として開発される以前から、台湾原住民・泰雅(タイヤル)族の集落があった場所。その独自の文化、言葉、風俗習慣の一旦を知ることができるアクティビティが「タイヤル族の調べ」です。 泰雅族の起源にまつわる伝承や、ミステリアスな紋面(顔の入れ墨)、女性の必須技術であった織物、楽器でありコミュニケーションツールでもある口琴について紹介する座学は、興味深い話の連続。 紋面は、男性なら狩猟、女性なら織物の技術を習得して初めて入れることが叶う、一人前(成人)の証。また女性は、結婚できる年頃になると花嫁衣装のための機織りを始め、技術の優劣で女性的地位が決まっていたとか。 口琴は本来、男性がつくるもので、女性への求愛にも使われたそう。また情報伝達にも使うことができたため、日本統治時代に禁止され、その技術は徐々に失われてしまったという悲しい歴史があります。 座学の後は、本物の竹を彫刻刀で削って口琴をつくるワークショップ。つくるのはリードが1本のもっともシンプルなタイプですが、けっこう本格的です。 出来上がった口琴は、もちろん使用可能。口元で固定し、紐を引っ張ると、リードが振動してビョーンという音が出ます。口の開き方によって音の高低や調子が変わり、言葉代わりになったというのも納得。 口琴は、東南アジアおよびユーラシア大陸にも広く分布している楽器で、日本ではアイヌの「ムックリ」が有名。泰雅族の口琴も、どこからどのようにして伝わってきたのか、興味はつきません。
ご当地フードを洗練されたスタイルで
「星のやグーグァン」は連泊するゲストが多いこともあり、食事のバリエーションが豊かです。夕食は台湾の食材を取り入れた日式の会席料理と、ルームダイニング用のアラカルト。朝食は、台湾式のお粥セットのほか、和食、洋食を用意。昼食は台湾ならではのコンローハン(豚角煮丼)や牛肉麺のほか、稲庭うどん、カレーなどの日本的なメニューが揃います。 木々の間に水路を巡らせたウォーターガーデンを望む湯上がり処では、10時半から11時半の時間帯に「谷茶のひととき」というサービスを実施。ドリンク&オリジナルスイーツが振る舞われます。時期によっては客家(ハッカ:中国大陸南部~台湾に住み独自の文化を持つ民族)の「擂茶(レイチャ)」が振る舞われることも。 14時半から16時半までは、オリジナルカクテル&モクテルのサービスを実施しています。木々や睡蓮、トンボや蝶を眺め、せせらぎに耳を傾けながら、心安まるひとときを過ごせます。※「谷茶のひととき」およびカクテル&モクテルのサービスは、季節により内容、時間、場所が変更されることがあります。 ソファを配したライブラリーラウンジでは、フリーのコーヒーやお茶を片手に、地域の文化や旅などに関する本を自由に読んだり、チェックアウト前のひとときをゆったりと過ごすことができます。同フロアのショップでは、お土産にぴったりなオリジナルパッケージのお茶、お菓子、泰雅族にゆかりのある竹細工の雑貨などが揃います。