東京五輪狙う19歳の秘密兵器GK小久保玲央ブライアンがポルトガル名門SLベンフィカでトップチームに異例抜擢
来夏に延期された東京五輪の秘密兵器となりうる19歳の逸材が、ヨーロッパでの挑戦をスタートさせて2シーズン目にして、大きなチャンスを手にしようとしている。 ポルトガル1部リーグ、プリメイラ・リーガで歴代最多となる37回の優勝を誇る名門、SLベンフィカのU-23チームに所属する身長193cm、体重81kgの大型ゴールキーパー、小久保玲央ブライアンがトップチームに合流することになった。同国のスポーツ紙『A BOLA』が10日付けで報じた。 ヨーロッパでも猛威を振るい続けた新型コロナウイルスの影響で、プリメイラ・リーガは3月第1週を最後に中断されていた。しかし、ポルトガルでは今月3日から、それまで発令されていた非常事態宣言が災害事態宣言へと緩和。今月30日からの公式戦再開へ、政府から許可が出ていた。 残された10試合を短期間で戦う過密日程が待つなかで、けが人や出場停止など不測の事態に備える必要がある。選手層を厚くするという判断のもとで、2部リーグを戦うBチームやリザーブリーグに臨むU-23チームから、次世代を担う若手選手たちが急きょ引き上げられることになった。 白羽の矢を立てられたホープは総勢8人。サイドバックやセンターバック、ボランチ、ウイング、フォワードらが顔をそろえたなかで、小久保は唯一のゴールキーパーとして合流する。加入から1年あまりでベンフィカの首脳陣から、将来を嘱望される評価を得る存在へ成長したことがわかる。 ナイジェリア人の父親と日本人の母をもつ小久保は千葉県で生まれ育った。小学生時代はフォワードだったが、柏レイソルの下部組織のトライアルに落ちている。一転して中学進学時には体格を見込まれてゴールキーパーとして逆に声をかけられ、晴れて柏レイソルU-15の一員になった。 以来、ゴールキーパーひと筋で心技体を磨き続け、U-16やU-18など年代別の日本代表にも招集された。ゴールマウスを守る機会は訪れなかったが、17歳だった2018シーズンにはレイソルU-18に所属したままJリーグの公式戦に出場できる、2種登録選手としてトップチームに登録された。