東京五輪狙う19歳の秘密兵器GK小久保玲央ブライアンがポルトガル名門SLベンフィカでトップチームに異例抜擢
ベンフィカから望外のオファーが届いた転機を探していくと2018年1月に行き着く。レイソルの下部組織が毎年のように参加している、中東カタールで開催されるユース年代を対象としたアルカス国際カップで、小久保が守護神を担った柏レイソルU-18が準優勝の快挙を成し遂げたときだ。 決勝こそパリ・サンジェルマンに屈したが、準々決勝ではレアル・マドリードを撃破。迎えた準決勝ではベンフィカを、3-3のまま突入したPK戦の末に撃破している。大会ベストキーパーに選出された小久保は、サイズと潜在能力を兼ね備える逸材としてベンフィカの目に留まったのだろう。 Jリーグでのプレー経験がないまま、ベンフィカと2023年までの契約を結んだと発表されたのが昨年1月25日。国際移籍が可能となる18歳になってわずか2日後だった。電撃的な動きを見てもベンフィカが小久保の動向を注視し続け、他のクラブから声がかかる前に獲得へ動いたことがわかる。 このときにも『A BOLA』紙上で、ベンフィカの元幹部が小久保を獲得した理由について「今後数年にわたって、ベンフィカの正守護神を務められる才能をもっている」と言及している。言葉通りに加入後の1年間あまりで、小久保はリザーブリーグで最も多いプレー時間を与えられてきた。 将来を見すえたリザーブリーグでの武者修行の過程で、父親から受け継いだしなやかさと強さ、そして速さをあわせもつ身体能力、バスケットボール経験のある母親譲りのジャンプ力、そしてフォワード時代に培われた足元の技術が融合されたプレーを披露。小久保のツイッター(@leobriankokubo)にも、野性味あふれる豪快なゴールセービングが収められた動画がいくつもアップされている。 2001年1月生まれの小久保は、2024年に開催されるパリ五輪の世代にあたる。ただ、同年6月生まれながら五輪代表と日本代表に名前を連ねる久保建英(RCDマジョルカ)と同じく、抜きん出た実力をもつ選手が飛び級で引き上げられるのはサッカー界の鉄則。小久保の夢も「東京五輪に出て、フル代表にも選ばれ、ベンフィカのトップチームで試合に出る」とポルトガルの地でどんどん膨らんでいる。