強力ルーキー加入のSUBARUがダークホースに浮上 3年前のニューイヤー駅伝2位とは違う強さで東日本制覇に意欲【東日本実業団駅伝】
それを予期していたわけではないが、奥谷監督はスカウトに力を入れていた。役員たちの理解を得るなど、三浦の獲得には会社のバックアップが大きかった。「彼は日本長距離界の宝です。SUBARUのためではなく日本のため」という無私の考え方が、逆に社内の共感を得たようだ。その結果、SUBARUとしては、かつてないほど強力な新人3人が入社した。 そのタイミングで奥谷監督は、東日本実業団駅伝のメンバー選考を厳しくした。実績組は練習でタイムが悪くても、駅伝本番での期待度を理由に起用していたのが東日本大会だった。今年は新人たちの力があり、シーズンを通して好調を維持している。実績組はトラックのタイムが春先は出ていたが、その後は新人に負けるレースもあったり、ピリッとしなかった。メンバーを選ぶための合同練習を何回か行い、チーム内の緊張感が高くなった。 「新人たちはSUBARUに入ることができて喜びを感じています。そんな選手たちがニューイヤー駅伝優勝という明確な目標を持って加わったことで、チーム全体のマインドがまた変わることができました。勢いのある新人と、実績のあるベテラン・中堅選手が融合したチームが、これからのSUBARUになります」 その最初の駅伝が、今回の東日本実業団駅伝となる。そのチームにニューイヤー駅伝では三浦が加わる。三浦は全区間20km超の箱根駅伝に対しては苦手意識があり、今年はまだ本人がストレスを感じない区間に起用する予定だという。 「実業団の駅伝を三浦に肌で感じてもらいたいと思っています。そこで来年以降のチームの進化のために、彼がどういう役割を果たしたいと思うか」 世界で戦う三浦が本当の意味でSUBARUの駅伝に加わったとき、ニューイヤー駅伝優勝が目標になる。 (TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター) ※写真は左から山本選手、三浦選手、並木選手
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