強力ルーキー加入のSUBARUがダークホースに浮上 3年前のニューイヤー駅伝2位とは違う強さで東日本制覇に意欲【東日本実業団駅伝】
全体の距離がニューイヤー駅伝より20km以上短い大会である。1区は3番目に長い区間だが、出遅れはニューイヤー駅伝以上に響く。2区はインターナショナル区間で、SUBARUは強い。そして3区が今駅伝の最長区間。この1、3区をエースの清水歓太(28)と鈴木勝彦(28)、梶谷瑠哉(28)、照井明人(30)の実績組に任せるのか、新人2人を起用するのか。4、5区で抜け出す役目を新人に期待するのか、実績組に任せるのか。 清水は23年日本選手権5000m3位の日本トップランナーで、ニューイヤー駅伝のエース区間でも区間賞争いを期待できる。実績組4人は、東日本大会では区間1~3位を何度も取っている。清水、鈴木、梶谷の5000mシーズンベストは13分30秒台。昨年までの実績でも今季のタイムでも、新人2人を上回る。 奥谷監督の選手起用も注目される。 ■チームが成長の新たなステージに 3年前、SUBARUがニューイヤー駅伝(22年大会)で2位になったとき、全ての長距離関係者と駅伝ファンが驚愕した。東日本大会は7位で通過したチームである。さらに前年は東日本大会が途中棄権で、ニューイヤー駅伝に出場すらしていなかったのだ。しかし大失敗をしたことで、奥谷監督は思い切った「チーム改革」に着手できた。それが練習メニューと目標設定などを全て、選手に決めさせることだった。社内の重役に選手を直接会わせたりもした。 キャプテンになった梶谷や清水を中心に、選手たちは自主的に行動するようになり、意識が追いつかない選手たちはチームを去った。選手が責任を持って行動することは、自身に厳しくしないとできないことなのだ。 翌23年大会は、「前年の2位がまぐれでないことを証明するために入賞する」ことを目標に掲げ、7位で目標を達成した。しかし24年大会は14位。1区の37位という失敗が響いたが、チーム全体に「同じようにやっていれば」という甘さが見え始めたという。