元世界王者・高山勝成のプロ復帰戦が相手の新型コロナ陽性で当日中止…12月に計画中の3つの世界戦は開催できるのか?
プロボクシングの元4団体世界王者の高山勝成(37、寝屋川石田)のプロ復帰戦が試合当日に中止になった。23日に兵庫県の三田市総合文化センターでライトフライ級6回戦として行われる予定だったが対戦相手の小西伶弥(27、SUN-RISE)がPCR検査で陽性反応を示したためガイドラインに沿って中止となった。他の出場選手は陰性だったため、昼夜の2部興行自体は開催されたが、同じくPCR検査で陽性反応が出て、試合前日に中止になったWBA世界ライトフライ級スーパー王者、京口紘人(26、ワタナベ)の世界戦に続く直前の興行中止を受けショックと不安が業界に広がっている。危機感を抱くJBC(日本ボクシングコミッション)は無観客開催や興行自粛を再検討する可能性を示した。12月には未発表の世界戦と、京口の仕切り直しの世界戦が計画されているが、いずれも中止となる可能性が濃厚。また大晦日には、WBO世界スーパーフライ級王者、井岡一翔(31、Ambition)に前WBO世界フライ級王者の田中恒成(25、畑中)が挑戦する注目の日本人対決が控えており感染予防対策の徹底が求められている。
「偽陽性」だった可能性も
まさかの事態が起きた。東京五輪出場を狙い、一度はアマチュア復帰した高山のプロ復帰の初戦は、世界戦経験のある元WBOアジアパシフィック・ライトフライ級王者、元日本ミニマム級王者の小西との注目の好カードだったが、試合当日に中止となったのだ。 前日に両者は共に計量をクリアしたが、前日のPCR検査の結果が、この日になって判明。小西に陽性反応が出た。兵庫県、大阪府共に新型コロナの感染者が急増。検査体制にもシワ寄せが出ており、検査結果が出るのに時間がかかった。 JBCは、新型コロナ対策のガイドラインに沿って試合の中止を決定。計量後から隔離されている小西は、ツイッターで「先日試合の計量とPCR検査を受けた結果、陽性と判明された為、試合中止の結果になってしまいました。本当に申し訳ございません。 僕も先程伝えられた事ですので、今後の対応等は再度ご連絡致します。 本当にすみませんでした」(原文ママ)と謝罪した。 また高山も代理人を通じて「練習を積み重ねてきた中で、当日の試合中止は残念ですが、致し方ないと思っております。小西選手や新型コロナウイルスに感染された方々の回復をお祈りしております。次の試合に向けて気持ちを切り替えていきます」とコメントした。 小西は1週間前にもPCR検査を受けていたが陰性だった。関係者の話によると、小西は、この日、PCRの再検査を実施したところ陰性反応だったという。 先日、国際大会に出場する体操の五輪金メダリスト、内村航平がPCR検査で陽性反応が出たものの再検査では陰性反応で「偽陽性」だったとして、急転、試合出場を果たした。小西の場合も、ウイルス量の少ない「偽陽性」だった可能性が高い。