「ママは璃花子が...」娘・池江璃花子さんの一言で気づいた、親が子どもに言ってはいけない言葉
大病からの奇跡の復活を経てパリ五輪出場する競泳の池江璃花子選手。あきらめない精神は称賛を集め、また多くの人へ勇気を与えています。 【データ】東大生の男女300名の幼少期の習い事、1位が水泳、3位が野球。では2位は…? 指先と学力の見逃せない関係 そんな池江璃花子選手は子どもの頃からどんな育てられ方をしたのでしょうか? 池江選手との親であり、幼児教室を運営する池江美由紀さんが、子どもにかけるべき言葉、使ってはいけない言葉について著書『子どもの心と才能が育つ【池江式】魔法の言葉』で触れています。ここではその一節を紹介します。 ※本記事は池江美由紀著『子どもの心と才能が育つ【池江式】魔法の言葉』(PHP研究所刊)より一部抜粋・編集したものです
「パンダをイメージしないでください」と言われて、パンダをイメージしない人はいない
子どもに声をかけるとき、どんな言葉のかけ方をしていますか。 「走っちゃダメ! 転ぶわよ」「気をつけないと、車にひかれちゃうよ」 言葉には力があります。言葉にすると、そのことが頭に浮かびます。 たとえば、次の文章を読んでみてください。 「パンダをイメージしないでください」 いかがでしょうか。頭のなかにパンダの姿が思い浮かんだのではないでしょうか。 子どもはもっと純粋なので、言われた言葉をそのとおりにイメージしてしまいます。「走っちゃダメ! 転ぶわよ」と言われた子は、走っていると足がもつれて転ぶ自分の姿を思い浮かべて、走りながら、つい足がもつれて転んでしまいます。 「車にひかれちゃうよ」という言葉をかけられた子どもは、車にひかれるイメージを引きずりながら、歩かなければなりません。 子どもには、そうなってほしくないマイナスの言葉を使わないことです。 「走っちゃダメ! 転ぶわよ」ではなく、 「ここでは歩こうね」「お母さんと手をつないで行こうね」と言います。 「気をつけないと、車にひかれちゃうよ」ではなく、 「無事に学校につくように気をつけてね」「左右を確認してから渡るようにしようね」と言います。
「できる」「やる」「やってみる」プラスの言葉を使う
同じ物事でも、見る方向が変わると見え方が変わります。 ネガティブな見方をすると、ネガティブな言葉になり、ネガティブな現実が見えてきます。ポジティブな見方をすると、ポジティブな言葉や表現ができて、ポジティブな現実が見えてくるものです。 教室のレッスンで何かを提案すると、「えーっ」「やだー」「ムリー」と反応する子どもがいます。ネガティブな言葉を言ったとたん、自分の気持ちがネガティブなほうに引っ張られていきます。 すると、チャレンジすればできるかもしれないことにチャレンジしなかったり、チャレンジしてもうまくいかなかったりするのです。 自分のなかで、「できない」「ムリだ」という言葉に縛られてしまいます。自分の能力や可能性を、自分で抑えつけてしまうのです。 私の教室では、「プラスの言葉を使うこと」がお約束です。 ちょっと難しそうなことに直面しても、「できる」と思う。そして、「やる」「やってみる」と口にする。 「面白そう」「楽しそう」「やりたい」─そんなプラスの言葉を使うことで、物事に前向きに挑戦する気持ちが生まれます。そして、「面白い!」「楽しい!」「できた!」というポジティブなイメージが、子どものなかに生まれます。こうしてプラスの結果が生まれてくるのです。 【ポイント】ちょっと難しそうなことに直面しても、「やってみる」と口にする。そうすることで、物事に挑戦する気持ちが生まれる。