「ママは璃花子が...」娘・池江璃花子さんの一言で気づいた、親が子どもに言ってはいけない言葉
認めてほめるのが、子どもを伸ばすコツ
ものの見方─ポジティブな見方をするのか、ネガティブな見方をするか─で大切なことは、子どもに対する見方です。子育てをしていれば、ネガティブなことがい っぱい起こります。そうすると子どもに対しても、ついネガティブな見方をしがちです。 「また汚すんだから」「全然上手にできないんだから」「もう、お母さんを困らせてばかり……」 ついつい声を荒げてしまうことになりがちです。 でも、子どもはまだ自分をしっかり持っていません。だから、まずはしっかり認めてあげて、自分に自信を持つところから始める必要があると私は考えています。認めて、ほめる。 子どものいい点を見つけて、いっぱいほめてあげましょう。ほめられることで、「自分はこうすればいいんだ」「こうすれば自分を認めてもらえるんだ」とわかります。そういうことの一つひとつの積み重ねが、子どもの心が成長するための養分になっていくのです。 大人から見れば些細なことでも、小さい子にとっては大変なのです。たとえ小さなことでも、何かができたら、「さすが!」「すごいね!」とほめてあげましょう。 大好きなお母さんにほめてもらうと、子どもはモチベーションが上がって、もっとがんばるようになります。 そして、たとえば子どもが描いた絵をほめるとしたら、 「この虫の羽のところをすごく丁寧に描いているね」「このお花の色、お母さんはとても好きだな」 などと、よいところを具体的に指摘してあげると、さらによいかと思います。
子どもに謙遜は伝わらないから 親が子どもの前で言ってはいけないこと
教室に来たお子さんを私がほめると、それを否定するお母さんがいらっしゃいます。 「いえいえ、今日はたまたま機嫌がいいだけです」 「家では全然ダメなんですよ」 日本に特有の"謙遜の文化"が、このような発言に結びついているのかもしれません。日本文化は素晴らしいものだと思いますが、これだけは改めていきたいものです。 謙遜とは、「本当はよいと思っているのだけれども、人前でそれをひけらかすのははしたないから、あえて悪く言う」ことです。こんな複雑な意図を、子どもは理解できません。言葉そのものをシンプルに受け止めます。 「今日の自分の態度がいいのは、たまたまで、いつもは機嫌が悪いんだ」 「家では全然ダメな子なんだ」 だから、子どもをけなしたり、卑下したりするような言い方を、子どもの前でしないでください。 私も璃花子に、「ママは璃花子ががんばっていないと思っているのね!」と言われたことがありました。 「うちの子はダメなんです」 という言葉を、子どもに聞かせてはいけません。 子どものことをほめられたら、反射的に「いえいえ」と否定せず、素直にそのまま受け取って、「ありがとうございます。今日も元気でいい子でがんばりますから、よろしくお願いします」と、あえて子どもの耳に入るように言いましょう。 【ポイント】親から見れば些細なことでも、何かができたら、「さすが!」「すごいね!」とほめよう。
池江美由紀(東京経営短期大学こども教育学科特別講師)