新興国向け「マイルドハイブリッド」の時代が始まる 2016年クルマ業界展望
新興国市場に強いスズキとダイハツが有力
このシステムを実現する可能性があるのは、実績ベースで見れば、現在マイルドハイブリッドでリードしているスズキとダイハツ、あるいはすでにキャパシターで実績のあるマツダと2002年のFCXでキャパシターを採用したことのあるホンダあたりだろうか。とは言え、ハードルは決して高くないので、技術的にはどこのメーカーでも可能だ。一応、新興国での勝負が命運を決めるスズキとダイハツが最も有力だろう。しかし個人的には、本当にこういうクルマがラインナップに必要なのはスバルだと思う。 高効率エンジンに、自動変速機最良の効率を持つAMTを組み合わせ、エンジンの極低速トルク不足とトランスミッショントルク切れという欠点を、リニアモーターでカバーするマイルドハイブリッドは、ほぼ現在ある技術だけで作れる。実現性が極めて高い。渋滞路で高効率を発揮し、世界の自動車の未来を切り拓く可能性を持っている。日本の自動車産業がこれからも輝く存在であるために、是非一考をお願いしたい。 (池田直渡・モータージャーナル)