【陸上】サニブラウンが出国「来季はアジア記録」25年世界選手権東京大会へ「9秒83」更新目指す
陸上男子100メートルの世界選手権2大会連続ファイナリスト、今夏パリ五輪(オリンピック)日本代表のサニブラウン・ハキーム(25=東レ)が9日、拠点の米国へ出国前に、東京・羽田空港で取材に応じた。 【写真】母校を訪問したサニブラウン パリ後のオフ期間中は異色の「合宿」や「大会」を主催したり、母校を再訪して交流したり、次世代のアスリート育成や競技普及に務めた。 一方、自己最速を更新する「9秒96」をマークしながら、史上最もハイレベルとなったパリ五輪で準決勝敗退。好調だっただけに無念の24年シーズンを振り返り、来季も見据えた。 「思うような結果は出なかったんですけど、一応、ベストを更新してはしているので。自分に及第点をあげたい気持ちはありますけど、でも、悔しい気持ちが一番勝ってる部分は間違いないので。やっぱり自分の求めるものは、もっともっと上。点数で言うと40点とか50点ぐらいになってしまうのかな」 悔しさと、腰椎ヘルニアからの復活という手応えを胸に、米ジャクソンビルで走りを再構築していく。自信は深まっており、目標タイムを聞かれると「具体的なものはないんですけど、やっぱり直近ではアジア記録(中国・蘇炳添の9秒83)は出したいなと思っているんで、来季の目標もそのぐらいは出したいなと思っていたんで、そこぐらいのイメージ」と定めた。 来年9月に東京で34年ぶりに開催される世界選手権(国立競技場)では、大会アンバサダーを務めるとともに、結果も求められる。 「前回、東京で行われたのは30年以上前で、東京オリンピックも観客の皆さんが入れなかったので、盛り上げたい。陸上競技にとってもそうですし、日本にとっても、こういうピックイベントはなかなかないと思うので、とても大きなものになるな、と選手ともども感じています。もちろん自分は金メダルという結果を目指して、常に世界のトップを目指してやる部分はあるんですけど、大きな大会をへて、いろいろなものが得られて、陸上界やスポーツ界として前進していければ」 世界選手権では22年の米オレゴン大会、23年のブダペストで日本史上初となる2大会連続の決勝進出を果たした。自国での来秋東京大会もステップに28年ロサンゼルス五輪へ。「やはりオリンピックの借りはオリンピックでしか返せないので。この4年間、どうつくっていって、LAでどういう結果を出すのか。ビルドアップが、ものすごく大切になってくる。年齢的にもロスは30(歳)手前になってきて、スプリンターとしても、いい年齢にはなってくると思うので、いかに結果に結びつけるか。まずはパリで一区切り。これからが本当に大切になってくる」と決意を示し、搭乗ゲートへ向かった。【木下淳】