キッチンのスポンジで食中毒を起こさないための3つのヒント。
洗浄が不十分なキッチンスポンジは、食中毒を引き起こす細菌や有害微生物にとって理想的な住処となる。感染症専門のウイルス学者が、食中毒のリスクを防ぐために私たちが取るべき行動について指摘する。 そもそも微生物は、湿気と食べ物の残り物を好む。そのため、住居において、これらの巣となるリスクが高い場所のひとつがキッチンだ。食中毒を避けるために冷蔵庫、オーブン、コンロを掃除する場合は、シンク、特にスポンジも細心の注意を払って洗うことが重要になってくる。スポンジの小さな穴には水分と微生物が好む食べ物の残骸が滞留するだけでなく、カビも発生しうる。ウイルス学者のオセアン・ソレル氏は、Instagramのアカウント@thefrenchvirologistに投稿した動画で、食中毒から身を守る方法を分かりやすく説明している。
しっかり絞る、個別化する、消毒する
まず最初にすべきことは、スポンジの使用後は、毎回しっかり水を切って絞ることだ。些細なことのように思えるかもしれないが、その後は個体ごとに乾かせるのが重要だ。「古い靴下のようにシンクに放置しないでください。スポンジには一定の置き場所が必要で、毎回そこに置くようにしてください」と、彼女はシンクの上の小さなスポンジ置きを指差しながら、「乾いたスポンジは幸せなスポンジです」とユーモラスにアドバイスする。スポンジは、穴のあいたトレイに置いたり、垂直に立てるのでもいいだろう。 また、キッチンで使ったスポンジをほかの場所に移動させないことも大切だ。「キッチンとバスルームではそれぞれ別のスポンジを使ってください」と彼女は、因縁のライバル関係にあたるフランスのサッカーチームに例えて説明する。「この問題は、OM(オリンピック・マルセイユ)とPSG(パリ・サンジェルマン)に少し似ていて、とにかくお互いに我慢できないのです。それぞれ自分のスタジアムにいるようにしましょう!」さらに用心するならば、スポンジを皿用と作業台用に使い分けて、万が一、汚染したときに細菌が広がらないように徹底したい。 もうひとつ覚えておくべき注意点は、肉料理を調理した後の洗浄方法だ。実際、作業台に残った生肉の汁をスポンジで洗い流すと、スポンジの細菌増殖を助長するリスクがあるという。ここは代わりにペーパータオルを使用するのが無難だ。 もし、スポンジ以外に手元に何もない場合は、後にスポンジを消毒する必要がある。電子レンジを最大出力で2分間加熱するか(金属スポンジを除く)、水の入った鍋に入れて沸騰するまで加熱してから火を止める方法だ。いずれの場合も、少なくとも週に1回は洗浄、または交換する必要があるということを覚えておきたい。 From madameFIGARO.fr text: Tiphaine Honnet (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto