阪神大震災 被災地の企業11社が備蓄食の詰め合わせBOX開発 おいしく食べて循環
阪神大震災から30年―。通販大手のフェリシモ(神戸市)が、被災した神戸、芦屋、西宮の3市に本社を置く企業10社の備蓄食を詰め合わせたセットを発売した。被災者へのアンケートをもとに「ふだん食べてもおいしいもの」を組み合わせた。賞味期限が近づくとメールなどで通知。食べきって半年ごとに更新と備蓄を循環させることで減災に対する意識の持続を期待している。 商品名は「備蓄でお守りKOBE BOX2」。令和5年12月に4社の備蓄食セットで販売開始。6年12月、第2弾として10社に拡大した。 阪神大震災、東日本大震災などの被災者約500人にアンケート。「とにかくお米が食べたかった」「野菜不足で便秘になった」「しんどい気分を楽にしてくれるおやつは大事」など、実体験にもとづく声をもとに食品を選んだ。 神戸の海や山、ポートタワーなど建物のイラストをあしらった箱に、ビーフシチュー、サケの塩焼き、野菜と果物のジュース、クッキーなど1人前3食分の食事とおやつを詰め合わせた。 これら備蓄食に冷蔵庫内の食材や身近な食品を加えて調理すると、2~4人分の食事に増やせる。レストランのシェフによるレシピをまとめた冊子も同封した。 ■賞味期限を通知 備蓄食といえば、とかく賞味期限の長さを優先し、味は後回しになりがち。今回はふだん食べてもおいしいものを厳選した。賞味期限は最短7カ月。忘れないよう期限が近づくと、お知らせのメールやはがきが届く。何事もなく過ごせたら食べきり、次の半年用に食品を更新し、備蓄を循環させていく。 販売はウェブで。価格は1箱3200円(税抜き)。うち30円は基金として運用され、被災地の支援に役立てられる。 フェリシモは、自然災害の復興支援を社業の一つととらえた活動を続けてきた。防災、減災の関連商品を販売する一方、売り上げの一部を基金として運用し、被災地の支援事業に役立てている。 ■「お客さまとともに考え、行動」の30年 フェリシモ 矢崎和彦社長