「疲れていることを認めたら終わり」と自分を追いつめていませんか?まずは<しっかり休む>ことから始めて。かくれ繊細さんが「無理しない」ための予防と対策を解説
アメリカの心理学博士エレイン・N・アーロンが提唱した、生まれつき敏感で周りの刺激を受けやすい性質を持つ人を指す「HSP(Highly Sensitive Person)」という言葉が近年話題です。そんななか、心理カウンセラーの時田ひさ子先生は「好奇心旺盛なのに傷つきやすいHSP」を指す「HSS(High Sensation Seeking)型HSP」を専門にカウンセリングを行っています。そこで今回は、時田先生の著書『かくれ繊細さんのめんどくさい疲れを手放す本』から、「HSS型HSP=かくれ繊細さん」ならではの特性を一部ご紹介します。 【書影】HSS型HSP専門心理カウンセラーが教える、疲れすぎる「かくれ繊細さん」のライフハック。時田ひさ子『かくれ繊細さんのめんどくさい疲れを手放す本』 * * * * * * * ◆疲れを手放せるようになったら? かくれ繊細さんはずっと周囲を見回し、観察しつづけながら、自分を活かし、燃やして生きていくための術を探しつづけています。 そのためには、疲れてなんていられないはずなのに、現実の自分は途方もなく疲れていて、そのことにもがっかりしてしまいます。 だから、「もしこの疲れがとれるようになったなら、どうなるんだろう?」ということをお知りになりたいのではないでしょうか。 その疲れを手放せるようになっても、疲れなくなるわけではありません。 残念ながら、HSPというもともともっている特性は捨てることができないため、「疲れに気が付かない人になる」わけではないのです。 また、年をとったら図太くなる、と聞いたことがある方もいるかもしれませんが、察する力や、無意識に洞察してしまったりする力がなくなるわけではないので、かくれ繊細さんは年をとってもそれほど図太くはなりません。
◆「しっかり休む」が難しい では、疲れを自分で手放せるようになるとどうなるのかというと、「疲れを早めに終わらせられる」ようになります。 素早く疲れが手放せるようになると、しっかり休めるようになります。 しっかり休む、というのはかくれ繊細さんにとってはかなり難しいことです。いつも頭の中でぐるぐるなにかが起動していて、休まることなく動きつづけているからです。 その頭の中のぐるぐるもろとも起動を止められます。そうすると、穏やかな休息が手に入ります。 穏やかな休息があると、自浄作用でやる気が回復してきます。気力が満ちて前向きになるんですね。 ところが現状はどうなのかというと、かくれ繊細さんは、ご自身がどんなことに疲れてしまうのかに非常に「鈍感」になっています。 それは、「疲れていることに自分が気が付いてしまうと、その疲れに飲み込まれてしまうような気がする」からです。 自分が疲れていることを認めてしまったら終わりだ、と思っているからなんです。だから、疲れていることをなかなか認めようとしないことがあります。 ですが、自分の現状を正確に知らない状態では、正しい対策を立てることもできません。となれば、状況は決してよくはなりません。 だから、かくれ繊細さんは、自分の疲れを「正確に把握できること」がすべての始まりとなります。 「自分がどれほど疲れていたのか」がわかると、素早く現実的な疲れを手放すことができます。するとしっかり休めるようになります。