昭和の株高を感じさせる日本株の変化を捉え5ツ星の高評価、「日本ニューテクノロジー・オープン」運用責任者に聞く
宮地氏:この銘柄は、昨年の5月から6月にかけて株価が急騰し、その時、かなり大きなウエイトでファンドに組み入れていたので、パフォーマンスに良い影響を与えました。株価が大きく上がる時にファンドでしっかり保有していると、ファンドのパフォーマンスにも寄与します。これは、私が大事にしていることのひとつです。
ソシオネクストは、半導体のファブレス企業で、設計はするけれど製造は外注するという企業です。このビジネスモデルは、米国エヌビディアと同じです。ソシオネクストは、エヌビディアがやっている生成AI用の半導体などをつくっているわけではないのですが、ビジネスモデルが似ているということでエヌビディアの株価と連動して上がっていました。このような銘柄は、株価が上がっている時の最終局面が株価の上昇率も高まりオイシイ局面といえますが、一方で、エヌビディアほどの業績が出るわけではないので、どこかで買われ過ぎて売られることになります。そこで降りればよい。という考え方で投資をしていました。
実際に急落のきっかけになったのは、ある証券会社のアナリストの格下げなのですが、この急落時に保有数量の8割くらいを売却しました。しばらく後に、大株主の売り出しという悪材料が出てきましたので、2回目に下がった時には全部売却しました。
川上:その他、売買タイミングで重要視していることはありますか?
宮地氏:全体相場について例をあげますと、2022年頃は日経平均株価で2万9000円くらいが天井で、2万9000円に何度もトライする場面が繰り返していました。レンジ相場の中では、2万9000円になったら「売り」だったのです。ところが、2023年4月から5月の連休明けに、この水準を明らかに超えてきました。レンジ相場の上限を上回ってきたら、「買い」セオリーにしています。この時、レンジを上回った時に株式への投資をフル状態にして、日経平均株価が3万4000円近くまで上昇する恩恵を受けました。