昭和の株高を感じさせる日本株の変化を捉え5ツ星の高評価、「日本ニューテクノロジー・オープン」運用責任者に聞く
宮地氏:ファンド名に「ニューテクノロジー」とついていますが、一般的に「テクノロジー」というとIT(情報技術)の分野を思い浮かべると思うのですが、このファンドでいうテクノロジーは、必ずしもITに限定していません。ITに代表される「デジタル・テクノロジー」はテクノロジーの大きな領域ですが、それ以外にも、たとえば、環境保全のための様々な技術である「グリーン・テクノロジー」、もうひとつは、人間の身体の健康を維持するために必要な医薬品を中心とする「ヘルスケア・テクノロジー」もあります。この3つのテクノロジーが中長期の成長分野だと考えています。
「デジタル」は結構株価の波が大きいです。ですから、攻める時は攻め、守る時は守るという運用をしないと、ファンドの基準価額の動きのフレが大きくなります。このファンドでは、「デジタル」以外のところにもしっかり逃げられる形にしています。
たとえば、2022年6月末は、私が市場の先行きに弱気になって「守り」のポートフォリオにしました。キャッシュが16%くらいで、「デジタル」が26%、ディフェンシブな性格がある「ヘルスケア」が29%と3つのテクノロジーの中で一番多く保有しました。「デジタル」の分野でも、その中身は、1位がNTT、2位がKDDIというディフェンシブな性格が強い通信キャリアを多く保有しました。
しかし、2023年5月には組み入れトップにソシオネクスト、第2位がルネサスエレクトロニクス、第3位にイビデンなど、半導体にフォーカスしたポートフォリオにして「デジタル」分野を全体の80%以上にしています。これが、半導体で一番攻めた時のポートフォリオです。この攻めによって、2023年5月、6月は基準価額がかなり上昇しました。このように攻めるべき時は攻め、守るべき時は守ることが大事だと考えています。
川上:最後に投資家の方へのメッセージをお願いします。
宮地氏:今、日本の投資環境はフェーズが変わってきていると思います。インフレがある程度定着してきました。賃金も上がるようになってきました。日銀も久しぶりに2024年3月にマイナス金利政策を解除してゼロ%にしました。日経平均株価は2024年2月に34年ぶりに最高値を更新しました。明らかに平成の時代に起きてきたことと違う状況が、今、起きつつあります。私が運用の仕事を始めたのは1988年です。これは昭和の最後の年である昭和63年です。昭和に起きていたインフレや賃上げ、株価が毎年高値を更新するという投資環境に似てきたと考えています。昭和を見てきた長い経験を活かして、これからもファンドのパフォーマンスの向上につなげていきたいと考えています。どうぞ、「日本ニューテクノロジー・オープン『愛称:地球視点』」をご愛顧くださいますよう、お願いします。
ウエルスアドバイザー