打球角度に左腕対策…2年目の大谷翔平を悩ませている知られざる問題とは?
気持ちいいくらいに、ボールを飛ばす。 ラインドライブがフェンスを超え、高く上がった打球はなかなか落ちてこない。 オークランド・コロシアムのセンターには客席の後方にガラス張りの部屋が並んでいるが、大谷翔平の放った打撃練習の打球が、そこを直撃したのは2度や3度ではなかった。 打撃練習だけでも見ていて飽きないが、実戦では今、そんな豪快な当たりから遠ざかっている。 28日のアスレチックス戦。二回に逆転を許したアスレチックスは、なおも2死二塁というチャンスで打席に入ったマイク・トラウトを敬遠し、大谷翔平との勝負を選択した。 トラウトにとっては今季8個目(リーグトップ)の敬遠。そのうちの2つは走者なしの場面で、彼の後ろを打つ打者のことを考えれば、それでもリスクが少なかったわけだが、大谷が復帰し、トラウトの後ろを打つようになってからは初めて。それはつまり大谷への警戒度の高さを示していたが、あの場面で右対右を避け、あえて右対左の対決を選んだ背景にはもちろん、大谷の状態の悪さが透けた。 結果は一塁ゴロ。投手のベースカバーが遅れて内野安打となったものの、あの日は最後に決勝打こそ放ったが、その他の打席は内野ゴロ3つと見逃し三振。大谷も「良くない打席が多い」と認めた。 「全体的にストライクゾーンが広がっている感じはする。甘い球を見逃して、難しい球を打ちにいっている感じかな」 もっともそれは彼だけを責められない。このところ、主審の判定も不安定だ。 28日に決勝打を放ったときは、4球目のカーブがストライクゾーンに入っていたにもかかわらずボールと判定されて命拾いしたが、29日の試合では、4球もボール球をストライクとコールされた。最後の打席では、追い込まれてから内角高めの2シームを見逃すと、ストライクの判定。これには珍しく、「えっ!? これがストライク?」とでも言いたげに、大谷は右手を広げている。 ただ、それよりも懸念なのは、打球が上がらないことか。