濱正悟「イケてない登場人物が愛おしい」映画『恋愛終婚』があなたにエールを贈る
当時はまだ“青かった”と話す濱さんが、撮影中に監督に言われてハッとしたことがあるそう。以降、表情や声のトーンを意識して、一輝の内に秘める想いを作中に散りばめた。 「当時は分かりやすく表現することが大事だと思っていたんです。観る人がすぐ理解できるようにお芝居しようと。でも、画として描いていなかったりセリフとして説明していないあるシーンのときに『こうしたら分かりやすいんじゃないですか?』って監督に伝えたら、『あえて分からないようにしている』って言われたんです。そこで、余白を作ることで観客に想像してもらいたいって想いがあることを知って。それは自分のなかの新たな発見でした」 婚活OL×女性関係にだらしない営業、パパ活女子×マザコン公務員、勝気な女子高生×女ゴコロの分からないマーケター、結婚式を挙げたい役者×結婚式を挙げたくないライター、などなど個性豊かなキャラクターと問題だらけなマッチング。結婚コンサルタントとして指南しているはずが、段々と恋愛感情が湧いてきて…!? 笑いあり涙ありハプニングあり衝撃告白あり…登場人物が徐々に交錯していく恋愛コメディ群像劇だ。 「完成を観たときに“潔さ”を感じたんです。笑えるシーンにちょっとヘビーなシーン、てんこ盛りな内容だけれどテンポが良い。不器用で、ちょっとイケてなくて、そんなところを愛せるような登場人物たちをみて、クスリと笑えるような内容になっていて。『おい!』ってツッコめるようなところもあるので、みんなでワイワイ観てほしいですね」 「結婚に恋愛は必要?」そんなメッセージを観客に投げかけ、結婚観のポテンシャルを模索しながらゴールへ誘う本作。婚活で悩む人々にエールを送る作品が誕生した。本作を経て、そして今夏に30歳の節目を迎えた濱さんに、恋愛観のアップデートはあったのかと聞いてみると…。 「よく『30歳になるまでに結婚する』『30歳になったらあれをやらなきゃいけない』って言いますが、そういう決め事が自分の縛りになることに気づいて。30歳になったからではなくて、変わるのは32歳だって39歳だっていいんじゃないかなって思えるようになりました。だから無理に決めたくなくて、恋愛観はまだ未アップデートです。って言いながら、来月には言ってることが変わってるかもしれないけれど(笑)」