高卒→欧州の20歳日本人DFが「すごい成長」 ドイツ代表も絶賛「見て分かるでしょ」【現地発コラム】
強化部長もチェイスを高評価「ここ最近とても良くなっているのが…」
そんなヘーネス監督が今回チェイスを起用したということは、チームに必要なプレーができる、チームにとってポジティブな存在になるという信頼があったからにほかならない。 選手の良さを引き出すことに関して、ヘーネスは非常に高く評価されている指揮官だ。伊藤が所属当時こんなことを口にしていた。 「補強した選手がはまってるってのもあるし、全員が自信を持ってプレーできている。昨シーズンまでは若いチームで苦しみましたけども、選手個々の良さを引き出してくれる監督だし、今年は自分たちがやっていることがすごい正しいと思えているし、練習からいい雰囲気でやれている」 ヘーネスもこんなふうに語っていたことがある。 「大事なのはプロセスだ。選手が見せてくれている発展と成長にフォーカスすること。それ以外のことを気にする必要はない」 今季の選手起用にもそんな「プロセス」を大事にしている手腕が度々見られる。そしてチェイスが起用され続けているのは、確かな発展と成長の足取りがそこにあるからだ。 強化部長のファビアン・ボールゲムートはこう称賛していた。 「非常に目立った活躍を見せている。ここ最近とても良くなっているのが、前に出る守備だ。多くの場面でタイミングよく足を出せている」 味方がプレスに行くことでパスの選択を制限し、そこを狙ってDFが積極的に起点を潰す。そこが機能しないとプレスに行くことがマイナスになってしまうから、責任は重大だ。そんな困難なプレーも勇敢に的確にやり続けなければならないのだから、いつも上手くいくわけではない。例えば第12節ブレーメン戦でのチェイスは、不安定なプレーに終始し、キッカー誌の採点でも落第点の5をつけられた。そんなチェイスに対して、ボールゲムートが「成長段階ではこうした低調期もあるのだ。だが全体的に彼の成長曲線は上向きだ」と口にしていたことこそが、確かな信頼の表れだろう。シーズンは長いのだ。