81歳の現役医師が毎日飲む「命の野菜スープ」更年期障害や糖尿病を克服した秘伝レシピ
70代で糖尿病と首の動脈に脂肪の塊
しかし70代で、再び閉経による不調が現れる。 「私は閉経後コレステロール値が高くなり、72歳のときに頸動脈に脂肪の塊があると診断を受けてコレステロールを下げる薬を飲むように。 さらに血糖値も高く、75歳のときには検診で高血圧と糖尿病の診断を受けました。エストロゲンはコレステロール値を正常にしたり、血糖値を調節するインスリンを効きやすくする作用もあるため、閉経後にこれらの数値が高まる人も多い。 それからいろいろ調べるうち、がんや糖尿病の予防に食物繊維や抗酸化物質をたくさんとれる野菜スープがいいと本で知って飲み始め、今も続けています」 水と数種類の野菜を弱火で30分煮込んだものを毎日飲んでいるそう。 「塩を入れずに野菜の甘みを味わうスープなので、飲んでいると味覚が変わってきて塩分が苦手に。おかげで血糖値だけでなく、血圧も下がりましたね。 あとは蒸し野菜をポン酢で食べるのも好きです。タンパク源となるおかずは魚が中心で量も多めに。さんまは2匹、ししゃもは7~8匹を一日で食べます。炭水化物は基本玄米で少なめの40g。好物の果物を食べたら炭水化物を抜いて糖質量を調節しています。 何よりインスリンは朝に分泌されやすいので、朝食は豪華、夕食は控えめを心がけていますね」 また糖尿病改善のために75歳から筋トレを始めたそう。 「筋トレはインスリンの効きをよくする効果があるので、週2回90分のパーソナルジムに6年間通っています。私は70代から始めましたが、できれば更年期に備えて40代から筋トレを始めるべき。 あとは更年期とはどんなものなのかという知識をつけることも大切。先人たちがどんな症状で悩み、どう対処したのかを本やネットで知ることで、自分なりの対処法が見つかります。 ただ、私の一番の元気の秘訣は大好きな仕事を続けてこられたこと。自分のやりたいことを見つけて集中する時間を持てば、嫌なことも忘れられるはず。心の健康こそ元気の源ですからね」 教えてくれた人……天野惠子先生●内科医。医学博士。静風荘病院特別顧問。日本性差医学・医療学会理事。NPO法人性差医療情報ネットワーク理事長。女性に適した医療を提供する女性外来を日本で初めて創設。著書に『81歳、現役女医の転ばぬ先の知恵』(世界文化社)などがある。 取材・文/井上真規子