『曲がり切れず横転』で電柱2本折れ停電も…小学校近くに危険な県道“ライト坂” 事故多発の原因は「フェード現象」 地元住民らが"犠牲者を出さない"対策求めて奔走した結果…
兵庫県芦屋市の閑静な住宅街に、事故が相次ぐ「危険な坂道」があります。2023年6月にはカーブを曲がり切れなかったトラックが横転する事故も起きました。近くには小学校があり、通学路にもなっているということで、不安を抱える周辺住民たちが対策を求めて動いています。 【写真で見る】カーブを曲がり切れず横転したトラック…衝撃で電柱2本が折れた事故現場
カーブを曲がり切れずトラック横転 衝撃で電柱が折れて停電も
兵庫県芦屋市の県道。近くに住む大高歩美さんは、不安を抱えています。 「ここは本当はバス停があったんですけど、バス停を倒して、あそこにあった2つのベンチが壊れている状態。そこに突っ込んで」 「ここのガードレールが新しくなっているんですけど、ここが6月に起きた事故の現場です」 六甲山から閑静な住宅街を通り芦屋市の中心部に続く県道奥山精道線。ここで立て続けに事故が起きているというのです。 2023年5月には、県道の坂から下ってきたトラックが交差点を越えて歩道に突っ込み、荷台に積んでいた重機が落下し、ベンチやバス停を破壊しました。 その1か月後には、4トントラックがカーブを曲がり切れず横転。衝撃で電柱2本が折れて、周辺の住宅では一時、停電しました。
「『まただ』という印象。子どもがいなかったことが奇跡的」
県道沿いに住む人に話を聞きました。 (県道沿いに住む人)「『まただ』というような印象で。家の中にいると本当に爆弾が落ちたような音がするんですね。電線が引きちぎられるわけで」 歩行者などにケガをした人はいませんでしたが、現場の近くには小学校があり、県道は通学路になっていることから、住民たちの心配が尽きません。 (大高歩美さん)「子どもたちが通る道なので、ひとつ間違えば子どもたちが巻き込まれる」 (県道沿いに住む人)「本当に子どもがいなかったことが奇跡的というか。いつ誰が犠牲になっても…」
事故多発の原因は『フェード現象』
県道沿いにはアメリカの建築家、フランク・ロイド・ライト氏が手がけた建築物「ヨドコウ迎賓館」があり、地元では「ライト坂」と呼ばれています。 事故は小学校に近いカーブや坂の下の交差点に集中。警察によりますと、2020年以降、2023年5月まで同じ原因では6件もの事故が起きています。 ライト坂の交通量はさほど多くなく、見通しも悪いとは言えません。原因は…『フェード現象』です。フェード現象は、坂道でフットブレーキを踏み続けるなどするとブレーキが高温になり利かなくなる現象です。2022年10月、静岡県小山町で観光バスが横転し29人が死傷した事故がありました。現場はカーブ続く急こう配の道路で、この事故もフェード現象が原因でした。