『曲がり切れず横転』で電柱2本折れ停電も…小学校近くに危険な県道“ライト坂” 事故多発の原因は「フェード現象」 地元住民らが"犠牲者を出さない"対策求めて奔走した結果…
実際に起点から車を走らせてみると…急なカーブが13か所も
一方、事故が多発するライト坂はどうなっているのか?起点の芦有ドライブウェイの料金所から車を走らせると…すぐにカーブが。バスも車体を傾けながら走行するほどの急なカーブです。 山の中を通る険しい道で、坂の下までの高低差は約340m。急なカーブは13か所もあります。 それらを抜けると待ち構えているのが1km以上の長い下り坂。そして、坂の終着点に近い緩やかなカーブ付近が事故多発地点です。 フェード現象の恐ろしさについて、兵庫県トラック協会の西宮支部長は次のように話します。 (西宮支部 中島輝夫支部長)「徐々にブレーキが利かなくなって最後は全く利かなくなります。一度フェード現象が起こるとほとんどブレーキが利きませんので、本人もパニック状態になって、あとは事故につながってしまうんじゃないかなと思います」
「ブレーキ過熱事故多発!!」県は注意喚起の看板を増やすなど対策
いつ事故が起こるかわからない…。不安が募る中、大高さんら住民は、2023年6月に「ライト坂の交通安全対策を求める会」を結成しました。 (大高歩美さん)「犠牲者が出ないと何もしてもらえないのかという思いがあったんです。何かできることがないかとみんながそれぞれ思っていたら、まず署名活動するという声を上げてくださった方がいて、そこですぐ集結した」 活動を始めてわずか2週間あまりで事故防止の対策を求める4892もの署名が集まり、2023年7月には県に陳情書を提出しました。 こうした署名活動やこれまでの住民からの要望などを受け、県は早速、スピードが出やすいカーブの手前に「ブレーキ過熱事故多発!!」などと書かれた注意喚起の看板を増やすことや、低速ギヤの使用を促す路面標示などの対策を行いました。
「まだまだ足りない。途中であきらめたらダメ」
ただ、会のメンバーは敏速な整備を歓迎しつつも不十分だと訴えます。 (ライト坂の交通安全対策を求める会 小森成樹さん)「ガードレールなどは対症療法なんです。まだまだ足りないし、皆さんが途中であきらめたらダメだ」 では、ほかの対策は考えられないのか。県道を管理する兵庫県の斎藤元彦知事に話を聞くと…。 (兵庫県 斎藤元彦知事)「(Q交通規制などさらなる対応の検討は?)啓発やハード面の支援をしながら、地元の皆さんの声をしっかり聞きながらどのようなことができるかをきちんと検討して、皆さんが納得して住み続けられるような状況を作っていくために努力していきたいと思っています」