仕事・家庭・介護 山積み問題を乗り越える仏教の教え
今日からできる、問題発生に備える対処法
これら4つのポイントを押さえるために、日ごろからぜひ取り入れてほしいことがあります。それは「整理整頓」です。モノだけではなく、今自分が抱えている仕事や趣味など形にならないものも含めての整理整頓です。整理というのは、要らないものを見極めて捨てていくこと。整頓とは、本当に必要なものを見極めて元に戻すことです。 特に頭の中の思考は、整理できているようで混乱しているもの。1年に1度ではなく、四半期に1回ぐらいを目安に「今、自分にとって本当に必要なものは何か」をノートに書き出してみてください。本当に成すべきことは何なのか。結構、無駄なことをしているのだと気づきにもなります。 体力的にも、気持ちの面でも、余力を残しておくために大事なのは「自分がすでに持っているものに執着しない」ことです。お金も、家も、肩書も「いつかなくなるのだ」と思っておく。そうやって持っているものに執着しなくなると、最終的に残るものは自分の健康と知性です。 私たちはまだまだ働き盛りの年代です。しかし一方で、仕事でもプライベートでも様々な問題や課題が舞い込んでくる時でもあります。そういうタイミングに自分が今いるのだと知り、 普段からできるだけ雑事を少なくし、「慢」や「怒」を減らす努力を日ごろから心がけ、いざという時に慌てず乗り越えてほしいと思います。 (取材・文=尾崎悠子)
大愚 和尚